小屋

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あまあまアズール

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「いくら薬で性別を変えているとはいえ、その容姿では危険なままだと思うんですが」
「といってもねぇ。今更別人並に容姿を変えても不自然だし」
「それは仰る通りです。なので、容姿を変える以外の手段で考える他ありませんね」
「別に僕はこのままで不自由はないけど」
「今日だけで三度も絡まれるような生活がですか」
「対処できる以上障害ではないよ、鬱陶しくはあるけどね」
「多勢に無勢ということもあります。貴女、軽率に一人でふらふらする悪癖があるんですから」
「勿論そこは気を付けるよ、痛いのも慰み者になるのも御免だし」
「なぐ、……そういう輩がいたということですね?」
「まぁ、僕もびっくりはした。都市伝説だと思ってたけど、いたね現実に」
「…その輩については後程ゆっくり聞くことにしましょう。とにかく、何か対策を」
「…僕は何より、アズールがそこまで僕の身を心配してくれる事実の方に驚いているんだけど」
「………経営者が従業員の心配をするのは当然のことです」
「そっか、ありがとう」
「…個人として心配する気持ちも、ないわけではありません」
「僕ツンデレにはあまり造詣が深くないんだけど、アズールのそれは可愛いと思うよ」
「っ、嬉しくありません」
「はは」

嬉しくありません(嬉しい)。
とりあえず初恋拗らせてもらうことにしたアズールは最初からデレ8割、ツンとは呼べないちょっとした捻くれ2割。
初恋フィルターかかってるから過保護気味に心配すると可愛いなぁと。思います。

2020/06/10

twst