小屋

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アジームさんちのカリムくんとブランシャールさんちのミモザさん
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「お」
「お!」
「……」
「ミモザじゃないか!これから昼か?一緒に食おうぜっ!」
「やぁカリム。相変わらず賑やかしいな君は」
「おぅ、俺はいつでも元気だぜっ。ジャミルのお弁当一緒に食おう!」
「はは。君の強引さは嫌いじゃないんだけど、お弁当って普通本来想定された人数分しかないもんだよカリム」
「大丈夫!ジャミルだからな!」
「…はぁ。こういうことは珍しくないからな、大目に用意してある。てことで遠慮せず来ると良い、ミモザ」
「へぇ。…余計なお世話ではあるけれど、そうやって甘やかすから『無茶を言っても何とかなるし許される』っていう誤解が解けないんだと思うよ?僕は」
「……もう慣れた、この程度なら普段の我儘に比べればマシな方だ」
「……ま、部外者の憐れみほど無意味で不快なものもないだろう。君がそういうのなら僕はそういうものだと理解するよ」
「……」
「ん?何?何の話してるんだ二人共」
「何でもないよ、君の気にするようなことは何もね。じゃあ、お言葉に甘えて素晴らしいランチのご相伴に与ろうかな」
「おぅ、来い来い!」
「うん、時にカリム」
「ん?」
「バーカ」
「何で唐突に罵られたんだオレ!?」


四章前の話。
ミモザは裕福な商人同士アジーム家と多少の縁はあるかなーって思って、顔見知りで良いじゃない。
ただ別に家同士が仲良い訳でもないので当たり障りなく。よその家の事情だしあまり首はつっこまない。
最後の罵りは首を突っ込まないなりのジャミルへの同情とカリムへの警告。

四章後なら
「そうだな、是非一緒に食べようミモザ。だけどそうなると残念ながら一人分足りない。だからカリムの分をミモザにやる、お前は学食で適当に食ってろ」
「酷いぞジャミル!?」
「そもそもランチ作ってくれてる時点で甘やかしてるけどね。…しかし良い感じに振り切れたねジャミル、カリムに愛想が尽きたら是非うちにおいで?厚遇するよ(冗談)」
「待遇によっては前向きに検討しよう(実現は無理なのは分かってるが気持ちは本気)」
「っダメだ!!!ジャミルはあげないぞ!!」
「俺はお前の所有物じゃない」
「うぐっ…」
「あっはっは、最高」
ってなる

2020/06/22

twst