小屋

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ずーっとあるだろうなこの流れ、と思ってたので回収しといた。
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「ラピスさん、お呼び出しした用件はお分かりですね?」
「いいえさっぱり。呼び出した側として最低限説明責任は果たすべきかと思いますよクロウリー学園長」
「む、正論を返してきますねぇ…。こほん、良いでしょう。一からご説明いたします、私、優しいので。本日わざわざお越しいただいたのは他でもないキングスカラーくんの件です」
「はぁ」
「なんと気のない返事でしょう。…今まで見ないふりをしてきましたが、ラピスさん、どうやら貴女とキングスカラーくんは少し、結構に、親密な仲ですね?」
「はぁ」
「あまり若者の色恋に口を出す野暮はしたくありませんが…ここは学園ですので。教育者としてあまり行き過ぎた男女交際を見過ごす訳にも」
「はぁ」
「……あの、聞いてます?」
「音を耳に通す行為はしてます」
「脳まで届けて言葉として解釈するまでしてほしいんですが。…分かります、分かりますよ。野暮な大人だとお思いなのでしょう、ですがさすがに教員と生徒の色恋はスキャンダルに」
「まぁ、もはや突っ込むのも面倒くさいんですけど。当たり障りのない突っ込みしておくと私教員じゃないです」
「…ん?」
「契約はしてますが薬草の提供だけですし、土地は借りてますが給与貰ってるわけでもないので学園職員でもないし」
「…そう、でしたっけ?」
「おまけに間にサムさん挟んでの契約なので、業務委託と捉えるにしても雇用主はサムさんですね」
「ふむ。……」
「………」
「教員、でないなら問題ありませんね!いやぁ私ってば早とちりを!あっはっはっは」
「………」
「んんっ。ですが、あまり外聞の悪いことは控えてくださいね。若い女性が寮に出入りするようなことが露見すれば教育委員会がめん、大事になりますので、こっそりお願いしますよ」
「どの寮にも出入りしたことないですが」
「んん?」
「生徒が研究室に遊びに来ることはありますが、そちらも駄目だというなら生徒の方に注意喚起した方が良いかと思いますよ」
「むむ…。…では、人目に付くところでいちゃついたりとか」
「昼寝の枕として捕まることを指しているなら学園長の名前を使って断ることもできますが、断ったことに伴うその後の不祥事は全面的に学園長責任としてお約束くださいね」
「…ちなみに、その不祥事ってどの程度なのでしょう?」
「さぁ、私には分かりかねます。まぁ昼寝を邪魔された不機嫌なライオンの八つ当たり程度ですから、学園長のお力であれば対処できる範囲ではないでしょうか」
「………」
「………」
「…こほん。ラピスさん、本日お呼び出しした用件ですが」
「はい?」
「キングスカラーくんは大変優秀な生徒でありますが、同時に魔力が高すぎる故に万が一暴走した場合他の生徒に危険が及ぶ可能性もあります」
「………」
「なので!彼に慕われている貴女には是非、これからもキングスカラーくんの監督をお願いいたしますね!えぇ、私優しい教育者なので!」
「……失礼します」
「はい!お呼び立てしてすみませんでしたねぇ」
「………」


学園長室から出た後無言で舌打ちするタイプのティナ。

2020/07/28

twst