小屋

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黄瀬こねた
* * *

「あれ、何してるの」
「へ?」
「何でバッシュ履いてるの?」
「…え?そりゃ…これから部活だから?」
「はは、何言ってんの。テスト近いよね」
「え、え、でもうちは許可降りてるから普通に」
「許可は成績優秀を前提に成り立ってるに決まってるでしょう。それで前回赤点を叩き出した黄瀬君?どうしてバッシュ履いてるのかな?」
「……いや俺バスケ特待ですし」
「ははは笑わせるね特待だろうが何だろうがうちの部で平均取れないプレイヤーは強制勉強なんだよプレイヤーより前に学生の務め果たせ」
「せ、先輩!笠松先輩!!百鬼先輩の目が全くの虚無なんですけど!!助けて!!」
「馬鹿の更正はそいつに一任してっから従え馬鹿」
「冷たい!」
「さー部室行こうか?幸い前回全教科平均以下叩き出したのは君だけだからマンツーマン指導だよ嬉しいね」
「え、嘘!早川先輩とかは!?一個赤点ギリって聞きましたよ!?」
「彼はやれば出来る子だからいいの、自主性あるし」
「またそうやって早川先輩贔屓する!」
「ははは平均以上取れたらなんぼでも聞いてやりますよ末っ子くん」
「…あー黄瀬ぇ」
「何スか笠松先輩助けてくれるんスか!?」
「一応言っとくと、そいつ頭良いけど教えるの下手とかいう次元越えてるから精々励めよ」
「はいっ!?」
「解くまでの過程が我流極めてっから参考にならん」
「え、それって教わる意味あります?」
「教えるのは専門外だけど勉強させるのは得意分野だから問題無いよ」
「というわけだ、死ぬ気でやってこい」
「いやぁああああっ!!部活する!!じゃなきゃ帰る!!」
「はは、逃がすか」
「あんま騒ぐなよ、後で様子見行ってやっから」



別に天才でも秀才でもなく普通に十番内入るくらいの頭の良さだけど解き方がまじで我流極めてるの可愛い

2021/09/26

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