▼仕立て屋は
お姫様にならない
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「〜♪」
「悠ー」
「どうしました翔君?」
「今度は誰の作ってんだよ」
「うふ、ふふっ。これはね、璃ちゃんのなんです」
「璃?へぇ、あいつのにしちゃ珍しいなシフォン生地のスカートなんて」
「えっへへ。璃ちゃん普段パンツばっかりだけど、絶対こういうフェミニンな形も似合いますよ。それに璃ちゃんはお姫様だから、王子様が喜んでくれる服をと思って」
「あー…だから音也の曲を口遊んでたのか」
「お姫様の服を作る時は王子様の曲が一番なんです。だってお姫様のことが好きで好きで堪らないって気持ちが溢れてるから、その力を借りればきっとずっと素敵な服になる筈です!」
「………あのさ」
「ん?」
「お前自身は姫に憧れたりしねぇの?」
「へ?私?」
「そう、色んな姫と王子のために服を作ってばっかりだろ。お前は姫になりたいとか思わないのか?」
「うーん…ないですね」
「…………」
「あ、あれ…ごめんなさい私何か間違えましたか…?」
「…いや。…何で?」
「へ、……うーん、何でと言われても、本当に今まで考えたこともなくて」
「お前の王子はいらねぇのかよ」
「いらないんじゃなくて、いないんですきっと。私は仕立屋でしょう?お姫様じゃないから」
「仕立屋にだって王子がいてもおかしくないだろ」
「ふふ、たくさん素敵なお姫様がいるのにわざわざ仕立屋を?」
「いる」
「…えへへ、ありがとう翔君。いつか、そうだといいな」
「……ん」
「翔君のお姫様もいつか紹介してくださいね、全身全霊かけて素敵な服をお仕立てしますから!」
「………お前ってそうだよな」
「?」
お前の王子も、俺の姫も、ここにいるんだけど。
悠はふわふわした変人になるし翔ちゃんは相変わらず苦労する感じ
2017/07/02
うたプリ