平気な訳じゃない



「俺茉莉さんなら余裕でキスできるし抱けると思うんす」
「唐突だな君」
「真ちゃんもっしょ?」
「俺に振るな屑が」
「ひっでぇなー、男として茉莉さんに反応しないとか不能だろ」
「それを本人に言っちゃう辺り男としてより人としてどうかと思いますよ高尾君よ」
「まぁ聞いて下さいよ。抱けるけど、女として見ることはねぇなーって思って」
「…それは矛盾ではなくて?」
「すげぇ良い女だなって思うけど、何か女の子っつーか先輩で仲間で。単純に本能として抱けるけど気持ち的にはっていう感じ?」
「ふーん、そんなもんかねぇ。男の子の機微は良く分かんないわ」
「なー緑間」
「だから俺に振るな」
「…それで、それをわざわざ話す意味は?」
「だからですね、例え何かあって泣きたくなったりしたときに頼られても俺らは変な気起こさないってことっす」
「うん?」
「弱ってる先輩を手込めにしようとか、宮地さんから奪っちゃおうとか、そういうこと」
「…遠慮せず頼れということなのだよ。馬鹿なりの言葉で」
「ひっでぇ真ちゃん!!俺すげぇいいこといってんのに!!」
「下世話な表現無しに言え馬鹿め」
「っだから!例え今先輩が泣きついてきても全然平気ってこと」
「……君らは、本当に良い後輩だよねぇ」
「でしょ?」
「…背中くらいは貸してやらんこともないのだよ」
「あー…悪いねぇ女々しい先輩で。少し借りて良いかい」
「女々しくはないっしょ。寧ろ尊敬しますよ」
「あの程度慣れてるんだけどねぇ、不意に来ると駄目だわ。…さっさと帰って気晴らししよ」


20130906


チャリヤとの絡みが好き