放課後の教室


「………」
「せんぱーい」
「…んだよ」
「今めっちゃ見られましたけど」
「知るか」
「絶句ですよ絶句。すごい挙動不審で逃げちゃいましたし。可哀想に」
「こんな時間に教室来る方が悪ぃんだよ知るか」
「こんな時間に教室でいちゃついてる方が悪いと思いますけどねぇ」
「いちゃついてねぇよ頭沸いてんのか」
「まぁ本人は抱き枕のつもりでも端から見たらそうなりますよこれ」
「知らん」
「忘れ物でもしたのかなー、可哀想に…」
「………」
「先輩学校で唐突に捕獲してくるの止めません?色々被害ありますし」
「…さっきの」
「はい?」
「やけに絡んでんだろ、お前に」
「彼ですか?まぁクラスメイトなので普通に話しますけれど」
「…他当たれ物好きっつっとけ」
「…単なるクラスメイトですけど」
「いいから」
「先輩結構心配性というか独占欲強いですよね」
「お前がグズなだけだろ」
「というか物好きって先輩が言えた口じゃないのでは」
「ゲーム廃人に惚れるとか物好き以外のなんなんだよ」
「貴方は何なんですかね」
「ボランティア精神だよ」
「今結構にクズな発言してる自覚あります?」
「………」
「冗談です。気にしてないので真面目に後悔しないで下さいよ」
「っち…」
「お互い様ですよね、ドルヲタなんてどう考えても面倒な物件ですし。まぁ世間様に迷惑かけないよう不良物件同士でボランティアして行きましょっか」
「…余計な世話だ轢くぞ」
「言葉と行動を一致させましょうか、ちょいと苦しいですよ腕」
「嫌なら逃げろ」
「はは、ボランティアなのでー」
「一生ボランティアさすぞクソ女」
「あらら、…すごいこと言いましたね今?」
「……忘れろクソチビ」
「そうですね、流石にムードの欠片もないので何年か後に仕切り直して下さい」
「…お前もすげぇこと言ってんだろ」
「飽きられない限りはボランティア続ける気ですから」
「もう黙ってろ締め殺すぞ」
「はーい」


20140611


絶対に付き合ってるとか恋人とかの単語を会話に出さない。