今日の友は明日のなんとか


※大学設定。チャリヤ組はルームシェア。
 



「ねー宮地さん」
「あ゛?つーかてめぇ何で当然の如く俺ん家で寛いでんだ、用が済んだらさっさと巣に帰れ」
「巣って。あの緑間と住んでて巣になるわけないでしょ、めっちゃくちゃ綺麗っすよ俺達ん家」
「野郎二人でルームシェアしてる場所ってだけで巣で十分だろ」
「前の宮地さんのドルヲタ部屋よりよっぽどまともな住まいっすけどね!」
「るせぇ木村んちの南瓜でどたまかち割んぞ」
「さーせんっした」
「…で、何だよ」
「はい?」
「何か話があっから呼んだんだろうが」
「あー。あのですね、俺って高校から今までずっと変わらず茉莉さんのことすげぇいい女だなって思ってんすけど」
「…何で唐突にあいつの話だよ」
「まぁ最後まで聞いてくださいよ。でもね、いい女だし最高の先輩だしむしろ親友だし、でも俺のもんにしたいなって思ったことは一度も無かったんすよ」
「……無かった、ね。何?お前俺に喧嘩売る気なの」
「宮地さん目怖っ!!だから最後まで聞いてくださいってば!」
「………」
「この間飲み会あって。偶然茉莉さんが俺に用があったから来ちゃって、流れでそのまま引きこんじゃったんすけど」
「………」
「で、あの茉莉さんでしょ?当然野郎共が目の色変えて群がっちゃって」
「……で?」
「声低っ!!大丈夫っすよ、セクハラとかはされてないです。俺がしーっかり最後までこの目で見守ってました」
「…じゃあ何なんだよ」
「いやー、悪い奴じゃないんすけど一人結構身の程弁えない奴がいて。宮地さんっていう彼氏がいるってことは周知の事実の筈なんすけど、やたら頑張っちゃったわけですよ。アピールっていうか」
「……それが?」
「そんときの茉莉さん、超格好良くて。「もうつま先から髪の先まで全部売約済みだから、あんまり軽々しく触らないでね。他人の手垢付けて帰ると拗ねちゃうの」って、肩抱こうとしたそいつの手叩き落として」
「っ……」
「あれは流石にヤバかったんすよねー…背筋ぞくっとするというか、こんな女を俺のもんにしたらどうなんだろって本能で感じてしまうっていうか、レベル高過ぎて」
「……で、お前結局何が言いたいの」
「この俺でそうなんだから、他は相当だってことっすよー。だから、これ以上茉莉さん良い女にしないでくれません?色々心配なんで」
「何で俺に言うんだよ轢くぞ」
「だってあの人自分が良い女だって自覚ないんすもん。言っても無駄じゃないっすか」
「俺だって知るかよんなこと」
「そうやって意地張るー。どうするんすか、万が一俺とか緑間が茉莉さんを女として見るようになっちゃったら」
「その片鱗が見えた時点で丁寧に三回轢いて切り刻んで焼いてやる」
「っあ、冗談に聞こえないくらい目がマジなやつだ」
「骨は擂り潰して海に撒いてやっから安心しろ」
「目がかなりマジなやつー!!」
「お前らがそうならなきゃ済む話だろ」
「…そうっすけどね。つーか宮地さん必死過ぎ」
「ったりめぇだろ、この世で一番敵になったら厄介なのはてめぇらだかんな。可能性が出た時点で早々に潰すに決まってんだろ」
「そういうとこは素直なんすね…」


20141218


宮地さん的に現状一番安心してゲー廃ちゃんを預けられる相手であると同時に、万が一が起こった場合は一転して最悪の敵に変わるのがチャリヤ。っていう話。