名もなき夏へ

01

タチアオイがこの夏の墓標

影の濃さすら憂鬱で
ラジオ体操の幻を見た
記憶の中にしかない朝露
さっき夏至を殺してきた
タチアオイがこの夏の墓標

02

塩素とカラン

塩素とカラン
盛夏に死にたい
けだるいプールサイド
直射日光風味ピーチメルバ
発泡せよ、ラムネ瓶のビー玉

03

永遠がいちばん似合う季節

夏からは誰も逃れられない
救済はゲリラ豪雨とともに来る
ナイトプール・イン・ザ・ダム湖
逃げ水はもしかしてあの日の雪消水
永遠がいちばん似合う季節

04

有害図書についての毒暑感想文

冷房病志願者
堤防・夏草・ブルージーンズ
「夏休みの友」はひとりぼっちです
有害図書についての毒暑感想文
8月のための特別な文庫本

05

片恋花火の片付け方

夕日がオレンジを融かしてゆく
レモン水は干上がっているか
片恋花火の片付け方
朝焼けに白の百日紅を添えて
夏休み午前九時半水風呂の中

 
  
- 週末檸檬 - Title Tapestry