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「鴆さまだっ!」
「よぅ、ちびっこじゃねえか。元気だったか?」
「なまえ、ちびっこじゃないもの!鴆さまこそちぃ吐いてない−?」
「あははは…笑えねぇ」
奴良組幹部の会議が終わった。鴆は酒瓶を片手に飲む場所を探していた。夜桜が綺麗な縁側を歩いていたところ、見慣れた赤髪が現れた。鴆が予想したようにやはりその赤髪はなまえで、彼女はリクオとおいかけっこをしていたようである。
「あ!なまえみ−っけ!」
「きゃあっ、やだ−!」
ドタドタと自分の周りを走り回る幼子2人。鴆はそんな様子を見ながら手に持った酒瓶を傾ける。それにしても綺麗な桜である。
「や−!」
「つかまえたっ」
池の畔でリクオはついになまえを追い詰めたようで、彼女の袖をギュッと握り締めていた。なまえはというと腕をぶんぶんと振りどうにかリクオに解放してもらおうとあれこれ試行錯誤している。
「仲の良いことで」
目の前で繰り広げられる2人の仲睦まじい姿に自然と笑みを溢した鴆。再びゆっくりと酒瓶を傾ける。
「…………」
初めて見たときは死にかけだった少女。どうにかして助けてやりたくて死に物狂いで看病してやった。
「元気そ−でなによりだ…」
そう呟きながら一気に盃に入った酒を飲み干す。
「鴆様。あまり飲まれてはお身体に触ります」
「お−。兄貴登場じゃね−か」
突然鴆の後ろから現れたのは彼が想像した通りの人物、黒羽丸だった。久しぶりの再会に鴆は嬉しそうに笑う。なまえの兄貴分、黒羽丸。彼こそ鴆の所へ死にかけのなまえを運んできた人物。
「奴良組に馴染めたみたいで。良かったじゃねぇか」
「これでも最初は大変だったんです」
奴良組に来たばかり時、なまえは酷く怯えていた。妖怪を誰1人寄せ付けず、無理に近付いた者には容赦無い炎を浴びせ。
「あの時はどうなるかと思いましたよ…」
「でも今のあいつぁ笑ってる。それでいいじゃないか」
そう言った鴆は柔らかく笑いながら盃に入っている酒を身体に流し込む。そしてお前も一杯やるか、と彼は盃を黒羽丸に手渡した。以外にも黒羽丸はその盃を受け取り、その後2人は2人の幼い妖怪を見守りながら酒を酌み交わしたのだった。
「くろ−まる!リクオさまがいじめるっ」
「あ−っなまえずるい!僕も!」
「だめ−!くろ−まるのだっこはなまえの−っ!」
「…………」
「お−良かったじゃねぇか、黒羽丸」
上から
なまえ
リクオ
なまえ
黒羽丸
鴆
です
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