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「こい?…鯉?」
「違うわ、恋よ、恋」
「恋!」
「そ−よなまえ、恋よ!」
奴良組のとある一室。そこには毛倡妓と首無、そしてなまえがいた。夕暮れの廊下を歩いていたなまえを捕まえた毛倡妓が彼女を自室に連れてきたのである。
「で、なまえちゃん?貴女に聞きたいことがあるのよ〜」
「なに−?」
「おい毛倡妓…」
呆れた顔をしているのは首無だ。少し離れたところに座りながら彼は毛倡妓に向かって話を振る。
「大体なぁ、毛倡妓。なまえはまだ子供だぞ。恋心なんぞ分かるものか」
「分かってないわね〜首無。これだから男は…」
やれやれ、と首を振った。
何を隠そう、自分だって9歳の時に義賊さん…つまり今の首無に恋心を抱いたのだ。確かになまえはまだその半分と少ししか生きていない。しかし同い年のリクオはもう家長カナとかいう、幼馴染みの女児に興味がある様子。つまりそういうお年頃なのだ。
「で、どうなのよ〜?」
「くびなし−恋って何?」
その発言を聞いた首無はほれ見ろ、と得意気に毛倡妓を見つめた。やはりなまえにはまだ早い話題だったのである。しかし毛倡妓は諦めない。
「恋っていうのはね、特定の異性を強く慕うことをいうのよ」
「異性?ん−…わかんない…」
「毛倡妓…その説明はなまえには難しすぎだ…」
よく分かっていないなまえのために未だ諦めていない毛倡妓はもう少し分かりやすい説明を施してやる。
「なまえ、お前さん、好きな人はいないのかい?」
「?」
「ほら、例えば将来結婚したいと思う人とか。奴良組はこんなに男がいるんだ、1人くらいいるだろう?」
にっこり笑った毛倡妓は面白そうになまえの返答を待つ。首無はというと毛倡妓の粘り強さに呆れつつも、少しは興味があるのか2人の会話に耳を傾けていた。
「結婚したいと思う人?」
「そう。なまえが結婚したいと思う人。…もしかしているのかい?」
「うん、いる!」
そう言って嬉しそうに笑ったなまえは得意気に胸を張った。結婚したいと思う人、いるにきまっている。というよりなまえにはその人しか考えられなかった。大好きなあの人。
「それは誰だい?私に教えておくれよ」
「なまえも女の子だねぇ…」
首無はあや取りをしながら毛倡妓となまえを見つめる。毛倡妓に迫られたなまえは恥ずかしげもなく、誇らしげにその名前を伝えていた。
「黒羽丸!なまえは黒羽丸と結婚する−っ!」
「おっ黒羽丸。(将来の)嫁さん、大事にしてやれよ」
「!?首無殿、それはどういう意味ですか?」
「いや〜、熱いわね〜、ホント」
一番下は毛倡妓です
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