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「やぁ〜だぁ−っ!」
不機嫌ななまえは布団を叩いた。ごろりごろりと寝転がり不満を全身で表す。
「まだ眠くない!」
「うつらうつらしていた奴が何を言ってるんだ」
「やだ−っ!なまえまだ起きてる!」
バッと立ち上がって部屋を出ていこうとする。しかし伸びてきた黒羽丸の腕に捕まり、なまえの願いは叶わなかった。
「子供は寝る時間だ」
「なまえはこどもじゃない!」
「そう言う奴ほど子供なんだ」
結局また布団に引き戻されて、終いには掛け布団を掛けられてしまった。
「ぶぅ〜…」
「ぶぅじゃない。もう寝ろ」
立ち上がった黒羽丸に明かりを消され、いよいよなまえは寝る状態になってしまう。今夜、奴良組では宴会が行われていた。騒ぐことが大好きな奴良組の妖怪達、1年に数えきれないほどの宴会を行うのである。今日はなまえが何故か気に入っている牛鬼がその宴会に珍しく来ていて、そのせいでいつもは大人しく床につくはずのなまえがぐずっているのだ。だいたいいつの間に牛鬼様と知り合ったのか。黒羽丸は疑問だった。
「牛鬼さまにたかいたかいしてもらいたかった…」
「明日俺がやってやる」
「牛鬼さまのほうが面白いもの…」
「…………」
ぐうの音も出ない。確かに牛鬼様は自分よりだいぶ身長が高い。その分なまえの視界も高くなるため面白いのだろう。もやもやした気分で苦い顔をしている黒羽丸。そんな彼の着物の袖をなまえはくいっと引っ張った。
「でもね−、」
「なんだ?」
子供らしくなまえはにっこり笑う。そして掛け布団をはね除け、座っている黒羽丸の腰に勢いよく飛び込んだ。
「なまえは黒羽丸のたかいたかいの方がすき−」
「何やってんだ兄貴?」
「見れば分かるだろう。牛乳からカルシウムを摂取しているんだ」
「いやそれは分かるけど…」
なんで“背を伸ばしたい貴方に!”ってデカデカと書いてある牛乳パックなんだよぉぉお!!
最近の兄が心配な弟
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