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「なまえ!」
「リクオさま!」
なまえとリクオ、奴良家の悪戯コンビ。彼等は護衛にと着いてきた妖怪達を撒き、2人きりで近所を探検していた。
「リクオさま!此処に抜け道があるよ!」
「ホントだ。行ってみよっか!」
少しだけ。少しだけなら、たとえ分からない道に出ても来た道を辿れば大丈夫なはず。2人はこう考えていた。しかしこの考えは甘かったとすぐに思い知らされることになる。
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「迷ったね…」
「うん…」
さっきまでは知っている道だったはず。探検にあまりにも夢中になっていた2人は、自分達が知らない道へと進んでいるのに全く気が付かなかった。
「ど−しよう…」
不安になり始めた2人。しかしなまえは大丈夫!と不安な気持ちを取り払うように自らの羽根を広げた。
「なまえは飛べるもの。直ぐに知ってる道に行けるよ!」
「……ホント?」
「ホントだってば!見てて」
一生懸命羽根を羽ばたかせるなまえ。しかし生憎風は吹いておらず、中々なまえの身体は軌道に乗らない。
「と、べ、る、も、ん!!」
顔を真っ赤にしながらなまえは羽根を更にばたつかせる。そんな彼女を心配してか、リクオは不安げに彼女の袖を引っ張った。
「やめなよなまえ、羽根が散らばっちゃう!」
「羽根はまた生えるもの。だいじょ−ぶ!」
リクオの心配をよそに、再びなまえは羽根をばたつかせ始めた。
「い−け−!!」
今度は助走をつけながら飛ぶ努力をしてみる。しかし結果は変わらないままだった。
「ど−して飛べないんだろ…」
先程とはうってかわってしゅんと落ち込んでしまったなまえ。リクオは散らばってしまった彼女の羽根を集めながら彼女を慰める。
「きっと大きくなれば飛べるよ!鴉天狗がそう言ってたよ」
「…ホントに?」
「うん。なまえが飛べないのはまだ小さいから羽根の作りが安定してないんだって」
「ふ−ん」
羽根を全て集めたリクオはどうする?となまえにそれを差し出した。なまえはリクオから受け取った羽根を懐にしまう。
「鴆さまが欲しいって言ってたから今度会ったらわたす」
「ぼくも鴆くんに会いたい!」
「じゃ、一緒に行こうよ!!」
にっこりとお互いの手を取り合い2人は歩き始めた。
「ど−やって帰ろっか…」
「う−んとね…」
帰ってこない悪戯コンビを心配して探し始めた黒羽丸が2人を見つけるまであと少し。
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