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「出入り−?」

「あぁ、出入りだ。だからなまえはここで待ってろ」

ある晩。奴良組は出入りのために活気で溢れかえっていた。様々な妖怪が久しぶりの出入りに興奮し、騒ぎ立てている。

「黒羽丸も行くの?」

「あぁ」

「トトちゃんも?」

「あぁ」

「ささ美ね−ちゃんも?」

「……あぁ」

この後の展開を予測し黒羽丸は溜め息を吐きそうになった。この小さな妹分は絶対にこう言うだろう。

なまえも行く、と。


「…気を付けて行ってらっしゃいね!」

しかし黒羽丸の予想は外れることになる。

「…えっ」

彼女の返答に驚いた黒羽丸は目を丸くする。いつも自分達が出入りに行くときは自分も一緒に行くと駄々をこねる彼女。こんなに聞き分けの良い子だったのか。いや、そんなはずはない。一体どうしたというのか。

「……なまえ?」

「ん、な−に?」

疑問に思って額を触ってみる。熱は無い。…では、何故こんなに聞き分けの良い子になったのだろう。

「なまえ〜?」

何処からかリクオ様の声が聞こえた。その声は案外近くから発せられていて、なまえを探しているようだった。

「あ!リクオさま!!」

その声が聞こえた途端小さな妹分は自分の掌から離れ、奴良組若頭の声がする方へ駈けていく。少し離れたところでくるりと振り向き早く帰ってきてね、お土産はチョコ−!と言っていた。

「………」

なんとも複雑な気分である。















いや、出入りに着いてきて欲しい訳じゃないんだ。危ない思いはもう二度として欲しくない。
しかしあんなに聞き分けが良いのも考えものだ…駄々をこねている姿がまた可愛いのに…


「って何考えてるんだオレは!!」

「……兄貴?」

「ほおっておくのが一番だ、トサカ丸。どうせまたなまえのことを考えているに違いない」
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