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ゆら編
「花開院さん!どこから引っ越してきたの−?」
「部活とかど−してた?」
「花開院…ダレ?」
「京都から転校してきたんだって。てゆ−かなまえ今来たの?」
「うん。自慢じゃないけど私入学式以外朝から来たことないからね!」
「偉そうに言えることじゃないでしょそれ…」
「そうだよなまえちゃん…」
昼休み。いつもと変わらず1年3組の教室は煩い。中でも1人の少女の周りには大きな輪が出来ていて、盛り上がっているのが分かる。人間の間を縫って進んだなまえは巻と鳥居の間に進んだ。ちなみになまえはリクオと同じ1年2組である。
「おっは−。何やってんの?」
「あ、なまえじゃん。今来たの?」
「うん」
ガタリと音をたてて椅子を引いたなまえはそれに座った。目の前では相変わらず清継が妖怪演説をしているが、旧校舎にて見つけられなかったこともあり信憑性が薄くなっていた。と、いうより清継はまだ妖怪に拘っているのか。溜め息を吐いたなまえは立ち上がり、じゃね、と巻達に手を振る。そしてリクオとカナが待つ廊下へと足を踏み出した時だった。清継の同士が現れたのは。
「本当?それ…私も見たいんやけど」
「「え?」」
「そぉ−かい!?いや−嬉しいよ!分かってくれる人がいてくれて!!」
「え?何これ夢?私まだ家で寝てんのかな?だって清継に有志とかあり得ないでしょ」
「いやいや夢じゃないから」
「まじか」
「まじ」
驚くなまえや巻達を余所に清継とゆらの話は勝手に進み、清十字怪奇探偵団が結成された。ちなみに初めての活動は今日清継の家にて行われるようである。
「ききき清継の…同士がァっ…」
「取り合えず落ち着こうなまえ」
「なまえちゃん…」
「しかも今日妖怪資料を見るために家に集合とか…!」
私今日は行けないのにィィ!と叫ぶなまえにカナは若干引き気味である。その様子を横目で確認したリクオは急いでなまえの腕を掴み彼女を廊下の角まで引っ張った。
「リクオ様?」
「雪女にも今朝言ったけど…学校でリクオ様はダメ!うちのことバレたら大変でしょ」
「え…大変なの?」
「大変だよ〜〜!」
そうして鬼のような面をしたリクオになまえは苦笑いで分かった、と返事を返した。ついでになるべくリクオくんかリクオと呼ぶように、と彼から言われたなまえは先程からリクオくん、リクオくん…あぁ、なんかおかしい!と頭を抱えている。
「ま、なまえは人間らしいから良いけど…」
隣にいるのが当たり前で。兄弟みたいな彼女。でも彼女は妖怪で、自分が3代目を継ぐことを望んでいる。あの時初めて聞いた、彼女の本音。
「………はぁ」
リクオが吐いた溜め息は誰にも気付かれることなく空気に溶け込んでいった。
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