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家来る編

日曜日。いよいよ学校の友人達が奴良家にやってくる日である。リクオは朝から妖怪達を説得したり、妖怪に結び付くものを隠したりと忙しかった。

「ふぁぁああ、」

昨日の宴会疲れが抜けないなまえは廊下を歩きながらこれでもかというくらいの大きな欠伸を溢す。ふと、庭を見るとリクオが未だに納得しない小妖怪達を説得していた。

「人間の友達が来るから隠れろだぁ!?はぁん!?」

「あのねぇ〜〜ワシらは妖怪一家なんですがね−!!」

「頼むよ…君らのためでもあるんだ」

掌を合わせて頼み込むリクオは、妖怪達から盛大なブ−イングを受けている。なんだか少しだけリクオが気の毒になってきたなまえは彼に加勢することにした、が。リクオが発した“陰陽師の末裔”という一言で彼等は静かになる。

「陰陽師…?」

「あ、なまえ。起きたの?」

「うん。それより陰陽師って…」

「なんか花開院さんが陰陽師の末裔みたいで…」

「……ふうん?」

その時、ピンポ−ンと来客を知らせるチャイムが鳴った。慌てたリクオと同時に、先程までリクオにあれだけ突っかかっていた妖怪達が蜘蛛の子を散らしたように我先に逃げていった。

「?」

疑問に思ったなまえだったが特に気にする様子もなく、黒羽丸の部屋に戻っていった。


*

*

*


「う〜〜〜ん…」

部屋には緊迫した雰囲気が漂っている。顔を盛大にしかめたなまえは、トサカ丸が持つ2つのカ−ドのうち1つに手を置いた。

「……こっち!」

「ホントにそっちでいいんだな?」

「う……やっぱこっち」

「ホントか〜〜〜?」

先程から永遠にこの繰り返しである。ささ美と共に苦笑いを溢した黒羽丸はそういえば、と口を開いた。

「お前は友達に会わなくていいのか?」

「だって若と“ただの友達”の関係であるなまえが一緒に住んでたら変でしょ。…ってかまず言ってないし」

それに、となまえは続けた。彼女はようやく引くカ−ドを決めたようで、スッとトサカ丸の手の内から抜き取る。

「わざわざ友達としてこの家に訪問すんのもダルいし。…あ、負けた」

ぐわぁぁあ三連敗!とカ−ドを投げ出し頭を抱える。その瞬間ふと、先程リクオから聞いた“陰陽師”という単語がなまえの中で蘇った。

「そういえばさ、今日家に来る子に花開院って子がいるんだけど…」

「「「!」」」

「その子、陰陽師の末裔なんだって」

で、陰陽師って何?

その瞬間、ぐわし、という音が聞こえてきそうな勢いでなまえの肩を掴んだトサカ丸は「陰陽師だとぉ!?」となまえの身体を豪快に揺さぶりながら繰り返した。ハッと我に返ったささ美と黒羽丸が止めた頃にはなまえは軽く目を回している。

「陰陽師…まさか浮世絵町に来ていたとは…」

「こ−しちゃいられねぇ。リクオ様を助けに」

「いかんでいい」

ささ美の強烈なチョップをまともにくらったトサカ丸は地に伏している。黒羽丸はなまえの疑問に答えるべく、口を開いた。自らの可愛い妹分が、無いとは思うがもしも祓われたりでもしたらそれこそ大変である。

「陰陽師というのはな、なまえ。主に京都を拠点として妖怪退治を生業としている」

「へぇ〜〜〜」

「へぇ〜〜じゃねぇ−!!お前、万が一祓われたりでもしたら命の保証はねえんだぞ!!」

いつの間にか復活していたトサカ丸は陰陽師に対してあまりにも危機感が薄いなまえに豪快に突っ込みを入れた。しかし当の本人はあまり陰陽師に対して実感が湧かないようで、相変わらずのんびりとしている。

「まぁ……とにかく。一応気を付けろ」

「だから雪女は朝から部屋に籠ってたのか〜。納得納得!」

「…はぁ…お前は……」

同じことを黒羽丸が言ってもあまり効果は無しで。この後更になまえは爆弾発言を投下したのだった。




「てかさ、私思うんだけど」

「「「?」」」

「祓われる前に炎で焼ききっちゃえば良くない?」

「「「……はぁ〜〜」」」

「なにその溜め息!ひっど−い!!」
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