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「よし…そろったね。メンバ−は7人か」
「楽しみですね清継くん!」
夜のグラウンド前に集まった浮世絵中学校の生徒達。驚いたことに怖いものが苦手なカナがいて、それは大層なまえを驚かせた。なまえは雪女と青田坊と固まりひそひそと作戦の最終確認をする。夕方嫌々鴉天狗のところに行ったなまえは、彼に事の一部始終を話した。鴉天狗曰くあの旧校舎にいる妖怪程度だったらなまえ達3人の力で十分だそうで、結果3人でリクオを守ることになったのである。また今回“もしも”のことがあったら、リクオに正体を明かしても良いという承諾も得ていた。
「はぁ〜〜…」
ノリノリの清継を見たなまえは溜め息を吐いた。あの旧校舎には妖怪がいるわけで、清継はそれに会いたがってるわけで、
「はぁ〜〜〜」
自分や雪女、青田坊が苦労するのは目に見えている。それにリクオ様は“あの事件”があってからというもの妖怪をあまり良く思っていないようで、なんとかしてその存在を隠したいようだった。
「はぁ〜〜〜」
本日3回目の溜め息を吐くなまえに雪女と青田坊が苦笑した。
「うわ−近くで見ると超不気味ね!」
ギィィと音をたて扉は開いた。ピッチョン、と、水道から水滴が落ちる。懐中電灯で照らした道をなまえ達は歩き始めた。さりなげなく清継の隣を確保したなまえは、これまたさりげなく姿を表す小妖怪達をその妖力で威嚇していく。なまえの威嚇に驚いた妖怪達は再び闇に返っていくのだった。
「む…ここは給湯室か…」
「うわ〜危なそう…水回りだし。開けてみます?」
次に清継が照らしたのは給湯室の扉。ここはとても危険な感じがする。そう感じたなまえは、今にも扉を開けようとしている2人を急いで止めようとする。
「ダメェ−!!」
しかしそれは御足労に終わった。リクオが前に立ちはだかったからである。ホッと安堵の息を吐いたなまえは、リクオを見つめた。彼はやっぱり自分達妖怪の存在を否定していて、昔との違いになんだか少し悲しくなった。
「ボクが先頭にいくよ!」
清継を先頭に行かせては危ないと判断したのか、リクオは先陣を切って歩き始めた。そういうことなら、となまえは前をリクオに任せ一番後ろからみんなを守ることにする。若…お疲れ様です。前で奮闘しているリクオとは反対に、なまえは静かに妖怪達を闇に戻した。
「なんもないね−…」
「ホントだな…拍子抜けするくらい」
リクオの努力あってか、清継達に妖怪の存在がバレることななかった。リクオは肩で息をしている。
「リクオくん、大丈夫?」
「なまえちゃん…」
「はい、水」
なんか疲れてるみたいだから。渡した水は彼女が妖力を使ったため少し温くなっていたが、リクオはありがとうと言って受け取った。
「…………」
雪女と青田坊が意味ありげな視線をなまえとリクオに向ける。この先は食堂だ。そして、今までで一番妖力の強い妖が潜んでいる。なまえはその視線にゆっくりと頷き、急いで清継の後を追いかけるリクオの後を追った。
「へぇっ…いい雰囲気」
「すっごい出そうですよ清継君…」
島と清継は歩いていく。食堂の真ん中辺りまで進むと、ペチャクチャという“何かを食べている音”が聞こえた。
「え?」
不思議に思った島がそちらを見ると、“何か”が犬の死骸を喰らっている。そしてそれらは自分達の存在に気付き、襲いかかってきたのだ。
「うわぁ…あぁああ!」
「で…出たあぁぁあ!!」
あれよあれよという間に妖怪達はすぐ目の前まで迫ってくる。怖くて目をつぶってしまったカナをリクオは庇っていて、なまえは少し安心した。そして走る。
「わ−か!だから言ったでしょ−?」
すれ違い様にリクオにそう呟いたなまえは妖力を解放し本来の姿に戻っていく。その黒い髪は赤へ。羽根が落ちる。
「紅蓮の炎」
彼女が発生させた炎は、妖怪を焼ききった。
「うせな!ここはお前らのシマじゃない」
なまえのその言葉に生き残った妖怪達は散り散りになって逃げていく。驚きを隠せないリクオに雪女と青田坊が説明してやり、事は終息を迎えたのだった。
「とゆ−ことでリクオ様!なまえのことはなまえって呼んでね。なまえちゃんとか違和感ありすぎ」
「あははは…」
そうこうしているうちに鴉天狗が現れ、リクオに説教を始める。巻き込まれたくないなまえは端の方に寄り、その姿を隠していたが。
「あ」
突然羽根を広げ夜空に飛び立った。
「なまえ?」
「先帰ってて−!」
雪女の問いにそう答え、ぐんぐん高度をあげていく。…やっぱりいた。緩んだ頬を押さえることなく、なまえはその闇に飛び付いた。
「うわっ…」
「黒羽丸!来てくれたの!」
「…たまたま通りかかっただけだ」
そう言う割には彼の頬は赤い。ありがと−!と嬉しそうに笑ったなまえは再び兄貴分にすりよった。
「ね−黒羽丸−」
「どうした?」
「なまえつかれた。おんぶして!」
「子供じゃあるまいに、自分で飛ぶんだ」
「え〜」
「…今日だけだぞ」
「やった−!」
まだまだ過保護
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