ある月のきれいな夜に
<夏野さまのみお持ち帰り可>
・夏野さまの夢主ちゃんとコラボ(ここでは“ゆめ”ちゃんとさせて頂きます)
・お手数ですがお持ち帰りのさいに、“ゆめ”ちゃんを名前変換して頂いて構いません
月のきれいな夜のことだった。
何気なく、ぼうっと庭に立って空を見上げる。
雲が無いのか、月だけではなく星もよく見えた。
「散歩か?」
星空を包み込む、闇のように黒い男の声に私は少し視線をずらして屋敷の屋根を見上げる。
「パトロール?」
「ああ」
屋根の上に片膝をたて、座っている黒羽丸に「おつかれさま」と笑いかけた。
再び月を見上げた私に、黒羽丸はあきれたようにため息をついた。
「そんな薄着では風邪をひく。中へ入れ」
「大丈夫。子どもじゃないもん」
「そう言う奴程子どもなんだ」
その声と共に、黒羽丸の羽織が降ってくる。
「……そしたら黒羽丸が寒いじゃん」
「俺は平気だ」
ワケわからん。
私より年下のくせに年上きどりか。
「じゃあ俺は行く。……池の水抜くなよ?」
「なぜバレたし!」
黒羽丸は深くため息をつくと、何も言わず飛んでいってしまった。
黒羽丸の羽織を肩にかけなおし、私は池のそばにあるお気に入りの岩に腰かける。
……やっぱりここは落ち着く。
奴良組に入って、約数百年。
慣れとは恐ろしいもので、私がどれだけこの岩から河童にちょっかいかけているかが伺えるくらいに、私にとってここは癒しスポットらしい。
……あとは河童が私に反撃してこなかったら最高なんだけど……
池の中を覗くと、いつもはゆらゆら揺れている黄緑の服が見えない。
またどこかの池まで流れていったのだろうか。
水面に浮かぶ月が目にはいり、今度はそちらを眺めた。
そのとき、屋敷からズルズルと何かを引きずるような音が聞こえた。
……侵入者……?
しかし「ふぇ……ぇぇ……」という幼い声が聞こえ、私は強張らせた肩をホッとおろした。
子どもの泣き声で思い当たる人物は二人。
若頭であるリクさまと、つい最近黒羽丸が連れてきたゆめだ。
立ち上がり、声のしたほうへ歩いていく。
すると、黒羽丸の部屋の前で布団……は重かったらしく、毛布を引きずっているゆめがいた。
「ゆめ」
ゆめは突然名前を呼ばれ、体をきゅっと強張らせた。
しかし、私だとわかると安心したのかへにゃりと笑った。
頬に残る涙の轍に、胸を締め付けられたような気がする。
「水乃お姉ちゃんかぁ〜」
「うん、そうだよ。どした? 怖い妖怪でもいた?」
ゆめはフルフルと首を横にふる。
……まあ、ゆめが組の連中が怖いって言ったら皆泣くわな。
黒羽丸を初めとして、皆のゆめ溺愛っぷりは半端ないから。
「そうじゃないの。……あの……えっとね、」
こんなに小さくても、やはり言いにくいことはあるらしい。
だいたいの事しか知らないが、私がゆめくらいのときは遊ぶことと夕飯のことしか考えてなかったけどな……
いつもは最後まで聞いてあげるゆめの話を私は然り気無く遮る。
「……あ、わかった! 黒羽丸に会いに来たんでしょ〜? もー、本当ゆめは黒羽丸大好きだねぇ!」
一応夜なので声をおとしながら言うと、ゆめはパッと笑顔になった。
「うん、大好き!」
「黒羽丸のお嫁さんになるんだって? お姉ちゃんヤキモチ焼いちゃうなぁ」
……あれ、ちょっと待てよ?
……弟分の妹分は妹分。
つまり、ゆめが黒羽丸の妹分と言うことは……私の妹分、むしろ私の嫁ということだ!!
「えーなんでお餅やくの?」
私の思考なんて知るはずもないゆめは無邪気に笑った。
「だってお姉ちゃんゆめのこと大好きだもん」
「ゆめもお姉ちゃん大好きー! あ、でもお姉ちゃんは河童のこと大好きなんだよね?」
「………………誰が言ってたのそれ?」
「トトちゃん」
よしあいつ後でしばく。
パトロールから帰ってきたらその羽むしって池に沈めたらぁ!!
覚悟トサカ丸……!!
「ゆめ、トトちゃんの言うことは信じちゃダメだよ?」
「?」
ゆめはきょとんと首を傾げた。
……うん、笑ってる。
私なんかじゃ、黒羽丸の変わりはできない。
でも放っておくことも当然できない。
水面恋歌は天使の涙に弱い妖怪ってことにしよう、うん。
私は毛布ごとゆめを抱っこして持ち上げた。
「ゆめ、ここは寒いからお姉ちゃんのお部屋行こう。あったかいよ」
「うん! あれ、これ黒羽丸の羽織だ〜」
「ん? ああ、そうだったね。黒羽丸にゆめを頼むって羽織渡されたんだよ。だから黒羽丸帰ってくるの、お姉ちゃんと待ってようね」
ゆめは私の首に腕をまわしながら、にっこりと微笑んだ。
「うん!!」
ああんもうマジこの子天使!!
抱き締めてそのままどこかに連れ去りたい衝動を抑え、私はにっこりと笑顔をつくった。
「よし、じゃあ行こ!」
そう言って歩き出そうとしたとき、向こうから走ってくる二つの影。
「水乃――!! 若を止めてぇぇ!!」
今何時だと思ってんだよ!!
そう言いたいのを我慢して、リクさまが通りすぎる瞬間にひょいっと首根っこをつかむ。
「って、あれ。ゆめもいるの?」
突然現れたリクさまと私の天敵……河童に、ゆめは顔を輝かせた。
「忍者ごっこ!? ゆめもやるの!」
「ダメ。風邪ひいちゃう。リクさまも寝なさい」
「えー!! ようかいは夜起きるんだよ!!」
「明日幼稚園あるでしょ!!」
今も尚私の手から逃げ出そうともがくリクさまの手をガシッと河童がつかむ。
「やっと捕まえましたよ……!」
珍しく怒りを含んだ言い方に、リクさまは一瞬で大人しくなり、河童の手を振りほどくと私の後ろに避難してきた。
「皆で黒羽丸まつの?」
「え? ええ、そうだね……どうしようか?」
このままでいれば黒羽丸の雷が落ちることはほぼ間違いない。
嫁さんほったらかして何してんだ、と言いたいがパトロールなら仕方ない。……のかな?
「黒羽丸? ……水乃黒羽丸の羽織、なんで」
いや言葉変だよ?
少し苛立ちを含んだ河童の言い方に、私はニヤリと笑ってゆめに笑いかけた。
「内緒。ねー、ゆめー! 女の子だけの秘密だもんね!」
「ね!」
然り気無くリクさまの手を掴みながら、しっかりとゆめを抱っこしながら、河童からの精神的攻撃に耐える。
……やばい前ふたつが幸せすぎて後ろが辛い!!
「ねえねえお姉ちゃん」
「ん?」
ゆめの小さい手が、真っ直ぐに空をさす。
えっ? と見上げると、そこには先程私が見上げていたきれいな月があった。
「……うん、そうだね」
「河童」
「ん?」
「今日は月がきれいです。ここに可愛い、組の宝物が二人います。……服とか毛布とか、いっぱい持ってきて」
リクさまとゆめを毛布でぐるぐる巻きにする。
「雪だるまみたい!」
「ほんとだぁ〜」
はしゃぐ二人に微笑みながら、私は二人を膝の上にのせた。
河童さんはどうやら黒の身ぐるみを剥いだらしく、見覚えのある羽織があった。
……まあ黒だし仕方ないか!
縁側に腰掛け、月を見上げる。
「ゆめ、おじいちゃんが言ってたんだけどね、月には動物がいるんだよ。何の動物か知ってる?」
「ん、んーと、んーと……カラス!!」
カラス最強説浮上です。
因みに河童はさっきから一枚の毛布をじー、と見つめている。
バカは放っておくに限るのです。
私は暖をとるため、リクさまとゆめを抱き締めた。
おしくら饅頭おされて泣くな、ってね。
そのとき、ふいに視界が真っ暗になった。
「わっ!?」
慌てて“それ”をどかせると、さっき河童が見つめていた毛布が被さっていた。
「あったかいね!」
笑いながら見上げてくるゆめの頭を、私はそっと撫でる。
小さい子供特有の体温が、ほんわかして暖かかった。
「河童、ありがと。……こっちおいでよ」
何故か1m程離れて座った河童を呼ぶと、無言で断られた。
「……なんだろうね、あいつ」
「恥ずかしいんだよー! 河童もお姉ちゃん大好きだから」
後ろで、何かバタドタッと大きな物音がしたけれど気にしないでおこう。
「……じゃあ、ここでひとつ小話でも」
そう言って、私はお姫様と勇敢な王子さまの話をした。
即興で作ったのだが、二人は大人しく聞いている。
そしていよいよクライマックス!! というとき、ゆめの頭がカクンッと揺れた。
「あれ?」
「どしたの」
「……二人とも寝ちゃったみたい」
やっぱり眠かったんだろう。そりゃそうだ。
そのうち、二人を膝にのせているためかなり暖かい私にも眠気は襲ってきた。
背後で盛大なため息が聞こえたかと思うと、とん、と背中に何かがぶつかる。
それが河童の背中だと気づくのに、そう時間はかからなかった。
「寝れば?」
「…………お、おお……」
「ありがとう、くらい言えないの」
「……今はちょっと無理かな」
数時間後、リクさまとゆめをしっかり抱いた私が河童にもたれて眠っているのを、戻ってきた黒羽丸によって発見された。
とたんにゆめはパッチリと目をあけ、黒羽丸に抱きつく。
リクさまも眠そうに目をあけたため、黒羽丸は二人を各々部屋へ連れていった。
そして少し考えたあと、私と河童を寝かせてリクさまとゆめに巻き付けてあった毛布をかけた。
ふと見上げると、きれいな月も傾きはじめている。
そろそろ真っ赤な太陽が昇りはじめる時間だ。
黒羽丸は自分も眠りにつくため、部屋へ戻って行った。
(え、なんでアンタと寝てんの。しかもこんな外で)(……それ、こっちの台詞なんだけど)
end
ごめんよなっちゃあああああん!!!!!
絡ませ方がよくわからんだ←
なんせコラボとか初めてできて//
はい、すいません言い訳です( ;∀;)
言ってくれたら何回でも書き直すからね!!(むしろ書きたい←)
打ち込める文字数が、5000文字くらいあるはずなのに残り800とかになってるーww
何ページかに分けたりしても大丈夫です
マジごめん←
黒羽丸にも悪戯心はある(はず!)。
で、二人を放置ww
後日めーくんとか納豆に見つかって瞬く間に噂が流れてくんだよ!!((黙
お粗末さまでした!!
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