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あれから冬を越え、春を迎えても尚、彼は目覚めなかった。

「よお暇人」
「えへへ、刑事さんも暇なんですか?」
「バーカ、この米花町で暇な訳ねえだろ」
ですよね
「…また来たのかよ」
「習慣ですね」
よいしょ、
言いながら体位変換
拘縮予防のマッサージ・体操
「あんたがそこまでする義理ねーんじゃねーの」
「あいつがあんたを助けたのは職務だからだ」
「分かってます」
「でも、私がしたいからしてるんです」
「ほら、萩原さんイケメンだし。起きたら人魚姫みたいにワンチャンお嫁に貰ってもらえたりしたらラッキーですかね」
「バーカ、こいつがお前みたいなの相手するかよ」
「あはは、ですよねー」
「あっ、眠り姫は王子様のキスで起きるらしいですよ」
「…それは強制わいせつでしょっ引いて欲しいってことか?」
「やだなぁ、王子様って言えば相場は天パのグラサンでヤニ臭いに決まってるじゃないですか」
「そーれ、イッキ!イッキ!」
「何言ってんだコイツ」
「あ、その目は傷付きました。傷害罪で訴えます。お巡りさん呼んでください」
「俺がお巡りさんだよ」
「それよかマジで一気飲みは危ねえからやめよけよ」
「しませんよ、これでも元医学生なので」

「出たな、隔週フェアレディ」
「面会の口実に良いアイディアでしょう」
「オラ寄越せ」
「別に手ぶらでも誰も気にしねえどころか、萩の家族は感謝してるぜ」
「こちらこそ感謝してるんです。息子さんがこんなことになった原因なのに、面会許して頂いて。あと、起きたとき何もない病室じゃ寂しいじゃないですか」
「退院のときどうすんだよ」
「萩原さんが不要だと仰るなら責任持って持ち帰ります」
「そんときゃ俺にくれや」


22歳 11/7→半年 昏睡
夢主が毎週フェアレディのディアゴスティーにを持ってくる
夢主
21歳 看護医専3年目へ編入
夜間 柔道整復師1年目
柔道整復師夜間部(18:00〜21:00)
マッサージでバイトを始める


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