23日

せっかくなのでと、山口くんと月島くんと一緒にお昼を食べていました。山口くんとは被っていませんが、月島くんとは講義が被っていますので、今日は長い時間一緒に過ごせているわけです。
別にストーカーじゃないですから。普通ですから。

ふと携帯が通知を知らせました。話の最中に携帯の確認をするなんてあまりよくないのですが、急ぎの連絡だったら申し訳ないのでポップアップの確認だけでもしたいと思います。

ちらりと確認すると、それは目の前の月島くんからのもので。土曜日のお迎えが遅くなるけど、必ず行くから待っていてほしいと言うことでした。

別にお迎えがなくても大丈夫なのですが。そもそもどうして私なんかのために月島くんが動いてくれるのか。全くもって不明なのですが。
しかし、わざわざメッセージを飛ばしてきたと言うことは、山口くんに聞かれたくないことなのでしょう。山口くんに相談してしまった身としてはあまり意味を感じませんが、月島くんのお気持ちは尊重しなくてはなりませんからね。ここは秘密にしておきましょう。

「六坂さんはどうするの?」
「え?あ、すみません!なんのお話しか再度お伺いしてもよろしいでしょうかっ」

全く聞いてなかったなんて、なんたる失態!

「別に気にしてないから大丈夫だよ。来月の学祭、六坂さんはなんか有志やるのかなーと思って」
「えっと、特に予定もなく、出欠だけ取って図書館に籠ろうかと」
「ガリ勉?」
「違い、から!」

去年はみっちゃんに付き合って少しだけ後悔したな。楽しかったけどみっちゃんのテンションについていくのに必死で、あんまりよく覚えてない。それこそ、嵐のような1日だったと言うことしか覚えてない。

「そう言う2人は?なんかやるの?」
「サークルで出すから、それくらいかな」
「そうなんだ」
「六坂さんは友達呼ばないの?」
「学祭にあんまり興味なくて」
「女子ってこう言うイベント好きなんじゃないの?」
「めんどくさい、かな」
「ちょっと意外。そう言う女子もいるんだね」

イベントはそれなりに好きですけどね、学祭はちょっとめんどくさいと言いますか…は!お友達!と言えば!

「あの!いつかお伺いしたマネージャーさんはいらっしゃいますか?!」

これはチャンスです!

「は?」
「谷地さんのこと?」
「そ、そうです!是非お会いしたいと常々思っておりまして!」

女の子の他校のお友達…なんとなく響きが素敵な気がします。

「声かければ来るんじゃないかな?」
「本当ですか!?」
「俺声かけておくよ」
「ありがとうございます!」

やった!月島くん曰く、私とタイプの似た女の子!
…それって仲良くなれるんですか?大丈夫って感じのことは言ってましたけど、実際どうなんですか?え、不安しか出てこなくなったんですけど。

「なに怖じ気付いてるの」
「だだだだって、会った瞬間に嫌われたら、私がお会いしたいと言わなければ不快な思いをさせずにすんだのに…そうなった際は、もう死んで詫びるしか方法が」
「死ななくていいから」
「ぷふっ」
「なにいきなり笑ってるの?」
「私そんなに面白いこと言った?」
「違くて、谷地さんも同じようなこと言ってるから」

え。

「なに、今言ったの?」
「早い方がいいと思って。ほら、見てよ」

見せられた画面には、なるほど。「万が一その方に不快な思いをさせてしまったら私はどうしたらよいのでしょうか…?」なんて書いてありました。

「大丈夫デショ。似すぎてて怖いくらいだし」
「だっだから不安なのに!」
「大丈夫だよ六坂さん。谷地さんもすごくいい子だから」

お2人がそう仰るのなら信用しましょう。マネージャーさんと一緒に部活に勤しんだのに、マネージャーさんを知らないなんてことはありませんからね。

「谷地さんにも大丈夫だから来てねって言っておくね」
「ぅあはい!お願いしゃます!」
「わかりやすく噛んだね」

わかってますから笑わないでくださいよ。聞かなかったことにしてくださいよ。
月島くんを睨んでみると、机を指で叩いてました。イラついていると言うより、なにか示すような…あ。返事しろってことですね。
私はわかったと言う旨を返しておきました。あと、お迎えに来ていただかなくても大丈夫という旨も。

もちろん鬼のようにメッセージが届き続けました。一緒の講義の時も隣でチクチク言われました。
仕方ないので、明日もおとなしく待っていようかなと思います。