04/11
(
これの続き)
ヒバードは予想を外れることなく先ほどの部屋に戻っていった。
私が生身の人間だったらついていけてなかったでしょうね。だって…
『ちょ、待って…ちょうだいな…』
私ですら限界。
生身じゃなくても疲れるものは疲れるのよ。普段から地に足着けて生活してるから、噂で聞く人達みたいに飛ぶのは…少しくらいならできるけど…得意じゃないのよ。
必死に息をしていると、扉の前で「ヒバリ!ヒバリ!」なんて鳴くものだから扉が開いてしまった。
「こちらからお帰りとは珍しいですね」
あ、扉が…
『待って待って!閉めないでー!』
まだ落ち着かない息もそのままに、私は最後の力を振り絞って扉の中へ滑り込んだ。
『は…入れた…』
こんなに動いた(と言うか走った)の、この体になってから初めて…疲れた…
「ヒバリ、ヒバリ、ピピピ!」
「…なんだい?」
「ピピピ!ヒバード知ラナイ!」
「僕も分からないよ」
『言葉が通じてるわけではないのね』
「ピピピ!サラサピピピ!」
「誰だいそれ」
『私のことを話してもわからないと思うけれど』
「そんな生徒いた?」
「いえ、それだけの情報ではなんとも…」
「じゃあ調べといて」
「はい」
調べても意味ないんだけどなぁ…
あ、昔の名簿になら残ってるかも。卒業してないからどんな表記になってるかわからないけど。
「サラサ!サラサ!」
『はいはい、なんですか?』
「だから誰なんだい?」
「ヒバードトモダチ!ダカラピピピナイ!」
『ありがとうございます(なんのことかはわからないけど)』
「騒ぐなら外でやってくれない?」
『あら、それはすみません。じゃあ…また屋上行く?』
「ヒバリ!イッテキマス!」
「はいはい」
あっちにこっちに、この小さな友達はなかなか落ち着いてはくれない。私のせいなのかもだけど。
でも、気分が高揚してるのは確かで。
もしかしたら、久しぶりにできた友達がいるからかしら…
「サラサ!サラサ!」
『はいはい、なんですか?』
「ミードーリ、カガーヤクー」
『あら、校歌?』
「ナーミーモーリーノー」
『ふふ。だーいなーく、しょぉーなくー』
「『なーみーがー、いいー』」
誰かと歌うなんて、誰かといるなんて、これこそ夢みたいだわ。