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(放課後の教室にて)

何度も重ねたマニキュアが、水に濡れたように光を反射する。
この間までただの幼なじみだったはずなのに、いつの間にか俺の中で女に変わってた。

「ちょっと聞いてる?」
「ああ」
「下手に料理とか裁縫とかできると、なんか女としては凹むんだよねぇ」

こんなはずじゃなかった。
なんでこうなっちまったんだ?

「一護はそんなに得意じゃなかったよね?」
「家庭科くらいでしかやったことねぇな」
「それくらいがいいよー。雨竜なんてほぼ完璧だもん」
「なぁ」
「なに?」
「なんで石田だったんだ?」
「うーん…告られたから?」
「それだけか?」
「それになんだかんだ優しそうだったし?現にかなり心配性だもん」

ああ。石田と付き合い始めて変わったんだ。
あの日からこいつはみるみるうちに綺麗になって、幼なじみから女になったんだ。

「俺が先に言ったら俺と付き合ったか?」
「そうだなぁー…」

つい言ってしまった言葉にも真剣に考えてる姿は、昔から変わらないのに。

「なかったかも」
「ばっさりきたな」
「だって、一護は誰よりも私の幼なじみだもん」

…なんだ。

「どうしたの?今日の一護ちょっと変だよ?」
「なんでもねぇ」

変わったように見えても、こいつはこいつのままなんだな。

「でも一護が彼氏か…悪くないかもね」
「は?」
「だってさ、遊子達の面倒見てきたから面倒見は文句なしだし、やっぱり優しいし」
「お前の基準そこかよ」
「一護が近くにいたからこうなったんだよっ。あーあ、早く雨竜来ないかなぁ」

まぁ、こいつに少しでも俺か、残るならいいか。

「あんたも早く彼女作りなよー。絶対いいこいるから」
「気が向いたらな」
「えー」

もし許されるなら、まだ石田が来なければいい。
もう少しだけ幼なじみといる時間を俺にくれ。


(…なにしてるんだ?)
(やっときた!)
(おう石田。早かったな)
(なんで黒崎がいるんだ?)
(いいだろ)


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