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「いいよねー」
「なにが?」
「海ってなんの悩みもなさそうじゃん」
「あたしにだって悩みの一つや二つあるっつの!」
「どーせ晩御飯とか宿題のことでしょー?」
笑う。笑う。あたしは笑う。
本当は泣きたい。
でも、あたしは悩みがないらしいから、笑う。
「やっぱバレたー?」
確かに悩みなんてない。だから辛くないなんて、悲しくならないなんて、どうして思うんだろう。
同じ人間で、同じように育って、こうして話しているのに、どうして違うと思うんだろう。
「ホントうらやましーわ」
あたしたって泣きたい。でも泣けない。泣きかたなんてずっと昔に忘れてしまったから。
なにに悩んでるかなんてあたしにもわかんないけど、泣きたい時くらいあるんだよ。
それを見抜いてくれたのはあなただけだったのに、どうして隠れてしまったの…?