「ふぅ…」
ボクの目の前には仕事が山のように積み重なってる。デスクにある書類は今日も少しだって片付かないだろう。
どんなに日々のルーチンをこなしたとしても、それを上回るスピードで仕事が増えるんだから忙殺もいいところだよ。
「仕事してください室長」
「えー、してるよー」
そろそろ仕事も飽きてきたからなぁ…またコムリン造ろうかな?
「コムリンなんて造ろうとしなくていいっスからね?」
「ぎくっ!!」
「なんスかその反応。造らせませんよ」
「はは。そんなこと考えてないよー」
なんでリーバーくんはボクの考えてることがわかったのかな?
「この間アリスがパーツ壊してたから無理だと思いますけどね」
「え!まさかアレ壊れちゃったの!?」
「イノセンスに振り回されてあっさりと」
「イヤー!」
あれはコムリンの心臓部だったのに…!
そもそもそんな簡単に見付かるところに置いてなかったのに誰が見付けてアリスちゃんに渡したのさ!アレ造るの結構大変なんだからやめてよもう!
「いいからさっさと仕事してください」
「もー、リーバーくんってば仕事の事ばっかり」
「あんたが自主的にやってくれたら俺もいちいち言わなくて済むんですけどね!」
「はいはい」
仕方なくペンを握ると、耳の置くで風の音と、必死に抑えようとする震えた声が聞こえる。
なに一つとして真実のない中傷に、泣きたい程悔しかったことだろう。それなのに、優しい君のことだからそれらは自分に非があると責めているんじゃないかい?
心だけでも強くあらねばならないと、泣きたい気持ちを押し込めて気丈に振る舞って、たった独りで北の大地にいる君を思うと、ボクは心配で仕方がなくなるんだ。
君は文字通り【この世界でたった独りきり】だからね。
「室長?」
君は気付いてないのかもしれないけど、無意識に【アリス】ちゃんの背中を追いかけてる節があるくらいだ。必死になって【アリス】ちゃんに追い付いて、この世界での居場所を見付けようとしてる。
「なんだい?」
君は無理をして【アリス】ちゃんにならなくてもいいと言うことに気付いてないんだろうか。それとも気付きたくないのかな。そんなことを続けていたら、近いうちに君自身が壊れてしまうんじゃないかと今から不安になる。
「今日はどうしたんスか?いつにも増して集中力が散漫気味みたいですけど」
アリスちゃんは上手に隠そうとしてるみたいけど、頑張って隠さなくていいんだよ。
「うん?うーん、ちょっと心配でね」
教団での【アリス】ちゃんの噂は、良いものから悪いものまでとにかく幅広い。まさか別人になってるなんてみんなには言えないから、それらは総てアリスちゃんに降りかかる。
もちろん【アリス】ちゃんを知っている人はそんな悪い子じゃないと否定してるけど、人の意見を素直に受け入れてくれるような人は他人を貶したりもしない。
「アリスの事っスか」
誰だってまったく身に覚えのない誹謗中傷を受けたら怒るか、それこそ泣きたくもなるだろう。今回は、特に年頃の女の子には酷すぎる言葉だ。
「んー…」
アリスちゃんの事をよく知らない人が見たら、そうなってしまうものなのかな?それでも、アリスちゃん本人に向ける言葉ではない。
「昨日、探索部隊が1人で帰ってきましたもんね」
神田くんと仲がいいのはもうずっと前からのことだから、今更どうこう言われるものでもない。【アリス】ちゃんは誰に対してもちょっと手厳しい所があったけど、けして悪い子じゃあなかった。逆に、今のアリスちゃんは誰に対してもあたりのいい子だけど、それがよくない印象に繋がっているのかな?
「まったく、あいつもアリスになにを言ったのやら」
あの通信の内容はリーバーくんも知らない。詳しい内容を知ってるのは、この教団で当事者達とボクだけ。
「根も葉も無いことだよ」
あんな話の内容、誰も知らなくていいと思ってるから、ボクから誰かに言うことはない。
「今のアリスの事だから、自分で言ったこと後悔してるんじゃないスか?」
「そうかもね」
リーバーくんですらこう言ってるくらいだから、アリスちゃんはやっぱり自分を責めているかもしれない。
少し話せば、アリスちゃんが優しい子だってわかってもらえるはずなのに、どうしてこうなってしまったんだろう。
「お疲れ様。コーヒー持ってきたけど、休憩にしない?」
「ありがとうリナリー!」
「いつも休憩みたいなもんだけどな」
「あら、切り替えは大切よ?リーバー班長」
香ばしいロースト香を感じながら、アリスちゃんだったら絶対に飲めないだろうと思って少し笑ってしまった。
「どうしたの?兄さん」
「いきなり笑ってどうしたんスか」
「いや、アリスちゃんがここにいたら砂糖と牛乳を欲しがるんだろうなと思ってね」
どちらのアリスちゃんも、苦いのは苦手だもんね。
「いつも悪いな」
「私が好きでやってるんだからいいのよ」
リナリーは優しくてかわいいなぁ…教団にはリナリーと仲の良いアリスちゃんもいるし、ボクはなんて幸せなお兄ちゃんなんだろう。
「アリス、早く戻るといいっスね」
「え、アリスから連絡があったの?」
「そうじゃないよ、ただ心配だなぁって。ね、リーバーくん」
「え?はい」
きっとリナリーが今回のことを知ったら、怒りにいってしまうだろうからね。
リナリーに心配をかけることはアリスちゃんの望まないところだと思うから、これは内緒にしておかないと。
「なんスか」
「なんでもないよ」
「はぁ」
「早く帰ってこないかしら」
リナリーだって君の帰りを待ってるんだ。リナリーだけじゃない、ここにはボクをはじめとしたたくさんの人が君の帰りを待ってる。それをちゃんと覚えててほしい。
だから、例え怪我をしたとしても、どうか無事に帰ってきてね。
ボクの目の前には仕事が山のように積み重なってる。デスクにある書類は今日も少しだって片付かないだろう。
どんなに日々のルーチンをこなしたとしても、それを上回るスピードで仕事が増えるんだから忙殺もいいところだよ。
「仕事してください室長」
「えー、してるよー」
そろそろ仕事も飽きてきたからなぁ…またコムリン造ろうかな?
「コムリンなんて造ろうとしなくていいっスからね?」
「ぎくっ!!」
「なんスかその反応。造らせませんよ」
「はは。そんなこと考えてないよー」
なんでリーバーくんはボクの考えてることがわかったのかな?
「この間アリスがパーツ壊してたから無理だと思いますけどね」
「え!まさかアレ壊れちゃったの!?」
「イノセンスに振り回されてあっさりと」
「イヤー!」
あれはコムリンの心臓部だったのに…!
そもそもそんな簡単に見付かるところに置いてなかったのに誰が見付けてアリスちゃんに渡したのさ!アレ造るの結構大変なんだからやめてよもう!
「いいからさっさと仕事してください」
「もー、リーバーくんってば仕事の事ばっかり」
「あんたが自主的にやってくれたら俺もいちいち言わなくて済むんですけどね!」
「はいはい」
仕方なくペンを握ると、耳の置くで風の音と、必死に抑えようとする震えた声が聞こえる。
なに一つとして真実のない中傷に、泣きたい程悔しかったことだろう。それなのに、優しい君のことだからそれらは自分に非があると責めているんじゃないかい?
心だけでも強くあらねばならないと、泣きたい気持ちを押し込めて気丈に振る舞って、たった独りで北の大地にいる君を思うと、ボクは心配で仕方がなくなるんだ。
君は文字通り【この世界でたった独りきり】だからね。
「室長?」
君は気付いてないのかもしれないけど、無意識に【アリス】ちゃんの背中を追いかけてる節があるくらいだ。必死になって【アリス】ちゃんに追い付いて、この世界での居場所を見付けようとしてる。
「なんだい?」
君は無理をして【アリス】ちゃんにならなくてもいいと言うことに気付いてないんだろうか。それとも気付きたくないのかな。そんなことを続けていたら、近いうちに君自身が壊れてしまうんじゃないかと今から不安になる。
「今日はどうしたんスか?いつにも増して集中力が散漫気味みたいですけど」
アリスちゃんは上手に隠そうとしてるみたいけど、頑張って隠さなくていいんだよ。
「うん?うーん、ちょっと心配でね」
教団での【アリス】ちゃんの噂は、良いものから悪いものまでとにかく幅広い。まさか別人になってるなんてみんなには言えないから、それらは総てアリスちゃんに降りかかる。
もちろん【アリス】ちゃんを知っている人はそんな悪い子じゃないと否定してるけど、人の意見を素直に受け入れてくれるような人は他人を貶したりもしない。
「アリスの事っスか」
誰だってまったく身に覚えのない誹謗中傷を受けたら怒るか、それこそ泣きたくもなるだろう。今回は、特に年頃の女の子には酷すぎる言葉だ。
「んー…」
アリスちゃんの事をよく知らない人が見たら、そうなってしまうものなのかな?それでも、アリスちゃん本人に向ける言葉ではない。
「昨日、探索部隊が1人で帰ってきましたもんね」
神田くんと仲がいいのはもうずっと前からのことだから、今更どうこう言われるものでもない。【アリス】ちゃんは誰に対してもちょっと手厳しい所があったけど、けして悪い子じゃあなかった。逆に、今のアリスちゃんは誰に対してもあたりのいい子だけど、それがよくない印象に繋がっているのかな?
「まったく、あいつもアリスになにを言ったのやら」
あの通信の内容はリーバーくんも知らない。詳しい内容を知ってるのは、この教団で当事者達とボクだけ。
「根も葉も無いことだよ」
あんな話の内容、誰も知らなくていいと思ってるから、ボクから誰かに言うことはない。
「今のアリスの事だから、自分で言ったこと後悔してるんじゃないスか?」
「そうかもね」
リーバーくんですらこう言ってるくらいだから、アリスちゃんはやっぱり自分を責めているかもしれない。
少し話せば、アリスちゃんが優しい子だってわかってもらえるはずなのに、どうしてこうなってしまったんだろう。
「お疲れ様。コーヒー持ってきたけど、休憩にしない?」
「ありがとうリナリー!」
「いつも休憩みたいなもんだけどな」
「あら、切り替えは大切よ?リーバー班長」
香ばしいロースト香を感じながら、アリスちゃんだったら絶対に飲めないだろうと思って少し笑ってしまった。
「どうしたの?兄さん」
「いきなり笑ってどうしたんスか」
「いや、アリスちゃんがここにいたら砂糖と牛乳を欲しがるんだろうなと思ってね」
どちらのアリスちゃんも、苦いのは苦手だもんね。
「いつも悪いな」
「私が好きでやってるんだからいいのよ」
リナリーは優しくてかわいいなぁ…教団にはリナリーと仲の良いアリスちゃんもいるし、ボクはなんて幸せなお兄ちゃんなんだろう。
「アリス、早く戻るといいっスね」
「え、アリスから連絡があったの?」
「そうじゃないよ、ただ心配だなぁって。ね、リーバーくん」
「え?はい」
きっとリナリーが今回のことを知ったら、怒りにいってしまうだろうからね。
リナリーに心配をかけることはアリスちゃんの望まないところだと思うから、これは内緒にしておかないと。
「なんスか」
「なんでもないよ」
「はぁ」
「早く帰ってこないかしら」
リナリーだって君の帰りを待ってるんだ。リナリーだけじゃない、ここにはボクをはじめとしたたくさんの人が君の帰りを待ってる。それをちゃんと覚えててほしい。
だから、例え怪我をしたとしても、どうか無事に帰ってきてね。