(闇AUのSansとやばい)



サンズが言う元の世界に帰って来れた私達は、見慣れたスノーディンに辿り着いた。


「帰って来れた!」
「って、わけでも無いらしいぞ。」
「・・・どういう意味?」
「何か・・・嫌な予感がする。」


嫌な予感?何だと辺りを見渡しても違和感という違和感も感じないし、ただのサンズの思い込みではないだろうか。
そんなことより進もう、とサンズの手を取って歩く。照れ臭そうに頬を掻いて、身長差から生まれる歩幅の違いに、一生懸命合わせているサンズがちょっと可愛らしい。
パピルスの作った大きな柵が見えてきて、そこを越えようとしたその時
ビュンッ!と後ろから私の顔の横を何かが掠めて行った。


「えっ、」
「やっぱりな・・・下がってろ、ヒロイン!」
「な、何?何が起き・・・」
「まだ残ってたのかと思ったが・・・別のTLから来たな、お前さん達。」
「サンズだ!?」
「やめてくれ、それ以上は言うな。僕も混乱する。」


後ろを振り返ると、フードを被ったサンズが目を光らせて立っていた。
一見私の隣にいるサンズと変わらないように見えるが、上着に何か・・・白い塵のような物が付着している。
戦闘態勢なのか、じりじりと私達に近付いて来る。これってもしかしなくても、何もしていないのに敵対視されてるの・・・?


「プレイヤー以外の人間なんて珍しいな。俺はこれ以上、邪魔者を望んじゃいないんだがねぇ。」
「どこの僕かは知らないが・・・こいつはお前さんの所に害を加える気は無い。手を出さないでくれ。」
「その人間にいつ裏切られるかも分からないのに加担するのか?いつかそいつに大事な弟だって殺されるかもしれないのに?」
「ヒロインは裏切ったりしない。」
「heh・・・その友情ごっこも何時まで続くかね。何なら、俺が今ここで殺してやってもいいぞ。貴重なEXPとして・・・なッ!」
「わっ!ちょ、危な、ひぇっ!?」
「チッ、お前・・・!」


足元の雪から無数の鋭い骨が勢い良く突き出て来て、咄嗟の事だったがギリギリで避けた。
いくら避けても迫るように次々と地面を突き破って骨が現れる。
不意に足が縺れて、私の体が後ろに倒れていく。嘘・・・ここで死ぬの・・・?


「ヒロインッ!!」
「・・・!」


襲って来るであろう衝撃を予想して、ぎゅっと目を瞑る。
しかし私の体が地面と接する事も骨に貫かれる事も無く、ふわりと浮遊しているような感覚に包まれた。


「・・・っ?」
「何だ、これ・・・?」
「私、生きてる、生きてるわ!助かった!」
「ああ・・・良かった、ヒロイン・・・。」
「もう、泣かないでよ。」


周りを見渡すも私達を襲って来たサンズの姿は無く、真っ白な空間にサンズと二人になった。
同じくふわふわと浮いているサンズは、私の腰に手を回して泣いている。頭を撫でてあげたら腕の力を少し強めてきた。
その瞬間、上から圧力を掛けられたように私とサンズの体が沈んだ。
驚いて、私もサンズの身体をぎゅっと抱き締めて顔を伏せた。

違和感が無くなり、恐る恐る顔を上げると、そこは一面雪景色で。
先程と同じスノーディンの端に居た。


「またここ?」
「一体どうなってるんだ・・・。」
「・・・進まないと帰れないのよね。」
「僕が絶対にヒロインを守る。だから傍から離れないでくれ。」
「とっても頼もしいけど・・・気を付けて、サンズ。」
「yep.お前さんを殺させはしない。」


***


二人で慎重に歩みを進めて、再びパピルスの柵までやって来た。
そこを無事に越える事が出来て安心した私達は、無意味に設置されたランプとサンズの仕事小屋を通り過ぎようとした。
しかし、現実はそう甘くなかった。


「Cheche・・・お前さん達、見かけない顔だな?」
「またサンズ・・・?」
「・・・」


小屋で待ち受けていたのは頭が割れてしまっているような、少し顔の雰囲気が怖いサンズだった。
台の上に置かれた片腕に目線を下げれば、彼の服の袖が一部だけ赤く染まっていて・・・ケチャップでも零したのだろうか。
カタカタカタ
怖いサンズが指で台を叩く音が響いて、それが何だか不気味に感じられる。


「その顔は・・・腹でも減ってるんじゃないか?このクールなホットドッグでも食って行けよ。」
「け、結構です。」
「おいおい頼むよ。こいつを作るのに人件費も掛かってるんだって。」
「サンズどうする・・・?」
「どうするも何も、普通にスルーだろう・・・。」
「お、ok. ごめんなさい、今お腹いっぱいで。」
「hum?なら・・・」
「えっ?」
「ヒロインッ!?」


怖いサンズにぐいっと腕を引っ張られて台に体がぶつかった。
痛みに小さく声を漏らすと、そのまま腰を引かれて台の上に体が乗った。
真上を見ると怖いサンズが片腕を高く上げていて、その手には何と、大きく太い骨が握られているではないか。
これってもしかしてまた危ないやつ?やだ、死にたくない・・・!


「人間のメスは肉が柔らかくて美味いんだ・・・俺の糧になってくれ、honey.」
「ひっ・・・さ、サンズ助けて・・・!」
「ヒロインに何するんだ変態野郎ッ!!その手を退けろ!!」
「おっと、お前さんにも分けてやるからそう怒るなよ。美味いモンは分けっこしろって兄弟に言われてるんだ。」
「そういう問題じゃない!クソッ、離せ!」
「I want you,honey・・・」
「ん゛ぅ〜!?」


怖いサンズが耳元で甘い言葉を囁いたと思ったら、突然口の中にホットドッグを突っ込まれた。
ぐいぐいと押し付けて私に食べさせようとしているらしく、あまりの苦しさに嗚咽き、涙が目に滲んできた。
その光景を見下げる怖いサンズの恍惚とした笑顔が本当に怖いし、目がやばい・・・!
息の荒い怖いサンズは何を考えているのか、スカートの裾から手を突っ込んで脚を撫でた。
更に目尻の涙をべろりと舐められ、恐怖で体が震える。


「むぐっ、む〜!(離して!)」
「ハァ・・・可愛いなぁhoney・・・そろそろいいか・・・?」
「んんんぅ〜!?」
「いい加減に・・・!」


サンズが怖いサンズにブルー攻撃を仕掛けようとした、その時だ。
ブンッと機械のような音がして、まるで飛ばされたかのように再び真っ白な空間に。
辺りを見回しても、私を襲っていた怖いサンズはいない。けれど、今度は見慣れたサンズもいなくなってしまった。
突然、一人この不思議な空間に取り残されて、不安に駆られる。
どうしてこうなるの・・・



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闇ズ難しい・・・
(2017/10/16