(色んなSansと、相変わらずのガバガバ世界観)


・・・ここはどこ?
一人ぽつんと、真っ白な何も無い空間に立っている。周りを見ても延々と続く虚無な白。
そうか、この感覚はきっと夢ね。だったら覚めないといけないわ。頬を思い切り抓ってみるも目が覚める事は無く、ただただ痛みだけが襲う。
嘘、またなの?この前もこんな空間にいたし、でもその時は色々苦労して元の所に帰れたけど・・・何故私はこうも意味の無い空間に、意味も無く飛ばされてしまうのだろうか。
この前のようにどこかに出口が無いか歩いて探してみる。足音も立たず、先に進めているのかもよく分からないけれど、ひたすら足を前へ前へと運んでいく。
暫く進んでいると、前方に白に黒が混ざっているのが見えた。出口だ!そう信じて小走りになる。
近付いて、近付いて、黒が大きくなってきた筈なのだが、それは出口とは程遠いようだった。あれは、人影?
白と黒の服に長いマフラーを巻いた何者かが、地べたに胡坐で座り込み俯いている。もしかしたら私と同じように、この空間の出口を探し迷っている者かもしれない。
後ろから声を掛けようとした、その時だ。刃物のような鋭い切っ先が目と鼻の先に向けられた。


「誰だっ!」
「ひぃっ!」
「ッ!?あ、アンタは・・・。・・・うるさいな、分かってる。」
「ご、ごめんなさい・・・驚かすつもりはなかったの。」
「ああ・・・、俺こそ急にその、・・・悪かったよ。」


こちらを向いたのは前と同じように、サンズのそっくりさんだ。
サンズのそっくりさんってどれだけいるの?そういえばサンズは、別の世界に自分と同じ顔がいるのを知っているような口ぶりだった。この事についてちゃんと聞いてなかったのも良くない、帰ったら問い詰めないと・・・。
向けられた大きな刃先は下へと降りて、マフラーを巻いたサンズが私の顔を凝視した。かと思えばマフラーで口元を隠して、ふいっと私から目を逸らす。そして何やらぶつぶつと独り言を言い始めた。


「センパイが言ってた奴だな。分かってるって、もういい、その話は。・・・おい、いいって言ってるだろ!!」
「uh-・・・さ、サンズ?」
「・・・!俺は、クロス・・・クロスだ。」
「あ、サンズじゃないのね。それで、えーっと、クロスはどうしてここに?」
「別に大した理由じゃない。ここに居たいから居るだけだ。」
「hum,出口は知らないかな?私、いつの間にかここに居たの。知っていたら教えてくれない?」
「いや・・・俺にも分からない。だからここに居る。」
「そっか。困ったなぁ・・・あ、」


じゃあ二人で探さない?
私は名案だとクロスに提案してみる。するとクロスの顔がぽかんとして、ちょっと間が開いて白と赤の目が泳ぎ始めた。
今度は私に背を向けてぼそぼそ独り言を漏らす。一体何だと言うのか。
返ってこない返事に痺れを切らし、ねえ、と彼の肩に手を乗せて声を掛けたら、うわああああ!?と大声を張り上げられて私の心臓が大きく飛び跳ねた。


「び、びっくりするじゃない・・・!」
「そっ、それはおおおお、俺の台詞だ!何をするんだっ!!」
「何って、ただ声を掛けただけよ。そんな化け物に触られたみたいにしなくたっていいでしょ!」
「いきなり触る奴がいるか!大体、さっきから距離が近いんだよ、ヒロインは!」
「別にこれぐらい普通の・・・・・・あれ、どうして私の名前・・・。」
「っ!」
「・・・もしかして、」
「ち、違う、そんなんじゃ「私も別世界に存在するの?」・・・は?」


だってそうでしょう。そうでなければ教えてもいない名前を呼ぶ事なんて出来ない。
サンズが別世界に存在するのなら、私も同じように存在していたって何らおかしくはないはず。
そう考えたら何だか妙に興奮して、ついクロスに迫ってしまった。今度は大声を上げずに、すっと自然に距離を置いたクロス。学んだようだ。


「クロスの世界にも私がいるから、私の名前を知っているんでしょう?」
「いる訳無いだろう・・・。アンタは、アンタだけは・・・唯一無二な存在だからな。」
「ふぅん・・・つまらないわ。ならどうして私の名前を知っているの?」
「・・・もういいだろ。ほら、出口を探すんだろう。行くぞ。」
「はぐらかしてばかりの人は女の子にモテないよ、クロス。」
「余計なお世話だっ!」



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(2018/02/25)