私を待っている二人の元へ向かう途中、大きな鳥さんに面白いようなスベッているような駄洒落を聞かされた。
それから二足歩行する犬を撫でてみたら、興奮しだしてほねっこジャーキーを…いや、これは言わないでおこう。
どちらもモンスターなのだろうけど私を襲おうという意思を感じられなかった。あくまで、感じられなかっただけだが。
とにかく大分道草を食ってしまった、彼らを待たせてしまって申し訳ない。
「やっと来たね、ライターさん!」
「お待たせしてすいません…少し道草しちゃって…」
「まぁそんなこったろうと思ってたよ」
「その間に暇だったから…オレ様と兄ちゃんで、ちょっとショッキングなパズルに変えてみたぞ!」
ショッキングなパズルとは?とても難しいってことだろうか。
私と彼らの間に雪の無い地面が広がっている。距離を縮める為にその上に一歩踏み出そうとしたら、突然「あー!」とパピルスさんが大声を上げた。
驚いて足を元の位置に戻すと、パピルスさんはほっと胸を撫で下ろしていた。
「動いちゃダメだよ!まだ説明もしてないんだから!」
「す、すいません」
「ゴホン。グレートなショッキングパズル…その名も『とうめいビリビリめいろ』!この迷路の壁に触れると…このオーブから強力な電撃が発生するのだ!」
「本当にショッキングですね!?」
殺しに掛かってるじゃないか!
まさか既に私が人間であることを見透かした上でのパズルなのだろうか?だとしたら、彼はとても侮れない。
はーい、それじゃあ始めー!とパピルスさんが合図をする。
電撃なんて浴びたことないからどれだけ苦しいのか分からないけど…私は恐る恐る一歩を踏み出した。その瞬間、電撃の走る音が鳴り響く。
私にではなく、何故かパピルスさんに。
そういえば私オーブを持っていない。それにまだ迷路にすら足を踏み入れていない。何とガバガバ設計…
「ちょっと!兄ちゃん!何やらかしたのッ!」
「そのオーブ・・・ライターちゃんが持たないと意味が無いんじゃないの?」
「ああ、そっか」
サンズも気付いてたのなら教えてあげれば良かったのに。
そんな風に目線を彼にやると、にやけた顔で目線を横に逸らされて確信犯だと思った。
パピルスさんが私にオーブを渡して元の位置に戻って行く。よくよく迷路を見てみると、パピルスさんの足跡が残っていて…これは電撃を浴びないルートなのでは?
仕切り直しの合図と共に少し戸惑いながらその足跡に沿って歩き、迷路を抜け終わると、パピルスさんが嬉しそうに拍手をしてから私の手を取った。
「すごい!一度も感電せずに抜けるなんて!」
「はは…それほどでも」
「火と電気が合わさったら危ないしね。いやぁ、助かった」
「それもそうだな……じゃあ次はもうちょっと簡単なのにしよう」
パピルスさんが腕を組んでうーむと唸る。サンズは目を閉じて次の指示を待っている。
楽しいワクワクと危険察知のドキドキが入り交じって落ち着かない。そのせいなのか少し頭痛が襲う。気に止めるほどでもないかと思っていたのに、次第に痛みが酷くなっていって眩暈が起きた。
ふらふらしている私にサンズが声を掛けている。それが遠くに感じて……私の意識は沈んでいくようだ。