金色に輝く竹の中には、とっても綺麗な女の人がいる。そんな情報をテレビで手に入れたらしいガッシュくんは、にこにこと笑いながらその話をして、最後にぽつんと「会ってみたいのう」と呟いた。
きっと子供向けのアニメか、人形劇か、おそらくそういう類の番組を見たのだろう。そういえば私も幼い頃に、かぐや姫の絵本を読んで胸を躍らせていたっけ。
「じゃあ、探しにいく?」
私のその言葉に、ガッシュくんは顔を輝かせて頷いた。
大きな金色の瞳に期待をいっぱいに湛えて私を見上げるガッシュくんを、町はずれの山沿いに広がる竹林に案内する。
竹林に着くや否や、彼はわあっと歓声をあげて、枯色の落ち葉の上を駆け出した。
私は小さな彼の頭上まで伸びる竹を見上げながら、金色に輝く節を探す彼を追う。
右に左に忙しく駆け回りながら「このどこかにいるのだな!」と楽しそうに言ったガッシュくんに私は、肯定も否定もしない笑みを返した。
それをどう受け取ったのか、ガッシュくんはにこりと笑って、再びだっと走り出したのだが、しかし。
彼は自分の背丈ほどの茶色いタケノコを見付けて、その足をすぐに止めた。
そして私を振り返り、「これはなんなのだ?」と首を傾げる。
私が「これはタケノコだよ。竹の、こども」と手近にあった竹とタケノコを交互に示しながら答えると、ガッシュくんはその丸っこい瞳を目一杯に開いて、慌てたように声をあげた。
「あの女の人にはこどもがいるのだな! 名前どの、早く二人を会わせてあげようぞ!」
私の左手を掴んで駆け出したガッシュくん。彼に導かれるまま、私もせわしく足を動かした。
私の手を引くガッシュくんの金色の髪の毛が、木漏れ日を受けてきらりと光る。その眩しさに目を細めながら、私はガッシュくんと一緒に竹の間を駆け抜けた。
竹笋生;たけのこしょうず
筍が生えてくる季節
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