精神と時の部屋から出てきた悟空さん達の姿に少し驚きながらも、さすがは悟飯さんだなとまるで自分のことのように誇らしい気分になった。超サイヤ人は誰しもが簡単になれるものではない。それはオレ自身がよく解っている。強い怒りの感情が引き金となって得るその力を、未来の悟飯さんと同じで心優しい彼が得るには相当苦労したことだろう。だからこそ、彼の兄に真実を口にするのはとても気が重かった。
「未来の俺は超サイヤ人になれましたか」
貴方もまた悟飯さんと同じで未来の貴方にとてもよく似ていた。同一人物であるのだから似ているという表現はおかしいかもしれないな。きっと小さい頃から貴方は変わらずにいたのだろう。いや、変わることができなかったのだろうか。過去である今も、そして未来でも、貴方の感情は希薄なままで超サイヤ人になることはできないのだ。
事実を伝えるのは果たして正しいことなのかと、悩んでうまく言葉が出てこないオレに小さな貴方は顔を俯かせた。
「すみません、困らせるつもりはないんです。ただ確認しておきたくて」
「い、いえ……残念ながら、未来の貴方は超サイヤ人にはなれていません。直接、未来の貴方から聞いたので確かだと思います」
顔を上げた貴方が呟いたそうですか、の言葉はどこか答えが解っていたかのようでとても淡々としていた。
「お父さんに超サイヤ人の話を聞いたときから、自分には無理なことだって解っていました」
もし自分が超サイヤ人にはなれないと言われたら悔しくて、力になれないことに落ち込んだりするだろう。でも貴方は、そしてまだ子供の貴方も、あるがままを受け入れて、泣き言も口にせずあるがままの自分で戦っていくんだ。そんな貴方にずっと支えられてきたオレができることは、この時代の未来を守ることだけ。今の自分にできる唯一のことはそれだけなんだ。
「だからトランクスさんがそんな表情する必要はありませんよ」
感情が人より乏しくも優しい貴方を、オレがきっと守ってみせます。