原因は誰に


 膝に乗せた甥の腰を引き寄せ首筋へと口付ける。脈打つそこへと今すぐ噛みつきたい衝動を抑え、着ている衣服を脱がしていった。トレーニング用の道着を脱がせるのは簡単だ。脇腹から胸元へと撫でていくと、指先に僅かな違和感を覚えて視線を下げた。乳輪を囲むようについている痕は間違いなく歯型で、ラディッツの記憶にはないものだ。よく見れば肩や脇腹にも痕が残っている。相当独占欲の強い男に抱かれたらしい。
 ラディッツは深い溜め息を吐いて甥の肩に頭を預けた。

「また、なのか」
「えっと、すみません」

 腹の底が煮え立つようだ。これが初めてではないのがより一層怒りを焚きつけた。どうもこの青年は利益のためなら抱かれることも厭わないらしい。だがそういう認識を最初に与えてしまったのはラディッツ自身であるため、膨れ上がった怒りをぶつけることができない。安易に行為を受け入れてしまうのをやめさせたいが、甥の価値観を変えてやれるほどの説得ができる自信がラディッツにはなかった。

「ラディッツさんは、俺が誰かと性行為をするのは嫌ですか」
「当たり前だ」
「なぜ、でしょうか」

 思わず出た舌打ち。甥の身体を押し倒し、今度こそ脈打つ首筋へと噛み付けば鉄の味が口いっぱいに広がった。
 なぜかだって? 理由なんかない。きさまはオレのモノ、ただそれだけだろうが。そう言って甥が納得するのならラディッツは何度だって言葉にしていただろう。