甥とのトレーニングは、長らく戦いのない日々が続いてもなお日課として行っている。たまに畑仕事をサボったカカロットが乱入してくることはあるが今日は静かなものだった。
いつものように組手と呼ぶには少々生易しい模擬戦闘を行った後、頬を流れる汗を拭う甥の腕を掴んで引き寄せたラディッツはおもむろに半開きになった唇を塞いだ。抵抗もなく受け入れられた口付けに、なにをやっているんだと思ったのは行為を仕掛けた本人のほうであった。それでも触れてしまった唇には欲望が傾くもので、口を離したのは軽く舌を絡ませてからだった。
「暴れ足りませんでしたか」
「なんでそうなるんだ」
「違いました?」
「ちが、くはないが……」
いつも通りの反応の薄さにはもう慣れている。しかしラディッツはもう少し違う反応を期待していた。だが、自分が甥になにを求めているのかは解っていない。どういう反応を期待していたのだろうか。それとも甥の言う通り、ただ動き足りないだけなのか。戦闘に近いトレーニングの影響で気持ちが昂ぶったせいで少し変な気分だ。
口を噤んでしまったラディッツを見上げ、土埃の汚れを拭うように頬へと触れた甥はどうしたものかと言うように眉尻を少しだけ下げた。
「欲求不満な顔してますよ。続けますか」
続けるってどっちをだ、と思いながらも頬を撫でる甥の手を掴みもう一度その唇に噛み付いた。すると今度は体を離すように胸元を押してくる甥の抵抗に仕方なく唇を離して見下ろす。
「俺が言ったのは組手のほうです」
「どっちでも構わんだろ」
正直なところ、ラディッツは考えるのが面倒になってきていたのだった。