ガバっと体を起こし乱れた息を整えつつ辺りを見渡す
見覚えのある間取り、見覚えのある家具。ここは、自分の部屋だ
強張っている肩の力を抜きつつ深呼吸を行う
「なんで、今更こんな…夢。」
ため息を吐いた後、じっとり湿ったシャツを脱ぐ
そのタイミングでドアノブがガチャリと開かれる
「ニクス…お腹空いた。朝ごはん作って」
ドアの向こう側から顔を出したのは、俺の姉であるロートだ
ロートの表情はほとんど動くことはない
だが、俺の前でだとかなり表情豊かになってくれるんだよな
我が姉ながらそういうとこが可愛いと思う
「うん、わかった。すぐ行くよ」
「待ってるから」
ドアが閉じられたのを確認して、着替えを済ませてしまう
今日は仕事じゃないからな…たまにはこれ着てくか
タンスから取り出したのは、俺のお気に入りの服のうちの一つだ
爽やかな黄色にグラサンをかけたキュートな太陽が印刷された服
下は海をイメージして、青色のズボンをはこう
リビングに行くと、ナイフとフォークを二つ分セットして座席しているロートの姿があった
「遅いよ。もう限界」
タイミングよく、ロートのお腹から腹の虫が鳴る
「はぁ。そろそろ料理覚えたら?人一倍食べるくせに料理は壊滅的だもんな」
「私は家事ができるでしょ。ニクスこそ、よく部屋散らかすくせに掃除とか洗濯とか壊滅的じゃん」
「う…それは、ロートがやってくれるから別にいいだろ」
「そうだね、私も同じ。ニクスがいるから料理はいいの」
顔を見合わせてクスクスと笑い合う
そうやってる間にもスクランブルエッグとベーコンを焼き上げ、飲み物と一緒にテーブルに運ぶ
丁度、トーストも焼けたのでバターをたっぷり塗りこんで朝ごはんを食べる
「「いただきまーす」」
今日は、ハンター試験日だ
この日のために、仕事は全部キャンセルした
ま、俺達なら楽勝で一発合格だろうけどな
問題なのは去年参加してレッドカード貰って退場してた…アイツだ
絶対今年も参加してくるはずだもんな
でも、俺達は仕事の関係上今年取らないとだしなー
「おかわりー」
「はいはい」
モキュモキュ頬張ってる姉はそんなこと考えてもないんだろうけどな
「ところで、その服装で行くの?」
「あぁ、そうだが」
「…私はこっちのほうが見合うと思う」
そういって立ち去ったロートが持ってきたのは
「ロートがそういうなら、そっちに着替えようかな」
朝ごはんをペロリと食べ終え貰った服に着替える
…うん、さすがは俺の姉
俺の選んだ服も悪くないけどこれもいいな
「お待たせ。じゃ行こうか」
「うん」