「破壊神さま!朝ですぞ!」
魔王の愉快そうな声と共に私が頭まで被っていた毛布を引き剥した。毛布がバサリと揺れて風を作り、その風がまるで起きろと言わんばかりに体中を通り抜けていく。とても寒い。
私はさも嫌そうに顔をしかめながら魔王を見る。
「まだ寝させてよ…眠いし…」
「駄目です!破壊神さまは夜更かしするから悪いんですぞ」
「うー」
「それに早起きはなんとやらと言いますからな!」
「分かったよ…」
仕方がないなぁと呟きながら重たい体を起こし、軽く身支度を整え魔王と一緒に食卓へ向かう。途中魔王が早起きの素晴らしさを延々と言っていたが当たり障りの無い言葉を返しなが歩く。食卓に着いた所で魔王の話を打ち切り、一言返す。
「今度から早起きするよう心がけるよ」
魔王はそんな私の様子に若干呆れ顔をする。
「前もそう言ってましたぞ。まぁいいです。これ朝ご飯です」
食卓には美味しそうな料理が私の分だけ置かれていた。
「魔王達は食べないの?」
「破壊神さまが起きるのが遅かったので先に食べさせて貰いましたぞ。」
「ふーん…」
何故だろう。何か一つ楽しい事を逃した気がした。数秒程考えた後、呟くように言う。
(…やっぱり早起きする)
(いきなりどうしたのです?)
(だって魔王達と一緒に食事したいし)
(…!ふふふ、明日楽しみにしてますぞ)