ぐ、と前髪を掴みあげ、俺の刺青と同じ場所に口づけを落とす。その瞬間無理矢理俺に跨らせた女がビクリと肩を震わせた。あの奉行所、町民から大きな信頼を持ち、凄腕と呼ばれているあのナマエが、今俺の目の前でぎっちりと腕を背に縛り上げられ、目隠しまでされているのだ。その事実にほくそ笑まずに居られなかった。
あぁ、非常にいい気分だ。あの気高く何においても見上げたナマエが、成す術も無くされるがままにしているのだ__この俺によって。ちらりと顔を窺い見れば、ナマエは悔しさか怒りからか唇を噛みしめていた。
「なぁ、俺の用心棒に…いや、俺の女にならないか?」
「断る、貴様の女などになるならば、死んだ方がましだ」
きっぱりとそう言い捨てる姿に「つれねぇなぁ」と愚痴垂れながら、ナマエの腰を撫でてやる。途端にぎり、と此方に聞こえるくらい位ナマエは苛立ちの籠った歯ぎしりを零した。もし刀を持っていれば、今ごろ俺は首が刎ねられていたことだろう。
「なぁ、あの武藤とかいう男とどこまでやったんだ?こんな姿見たら、なんて言うだろうなァ?」
「意味の分からんことをほざくな…!それに、抱きたいのならあの遊郭の女がいただろう」
「あぁ、奈美の事か?確かにあいつぁ遊女だからな、媚び方を心得てやがる。」
だったらその女でも抱いてこいと言わんばかりに嫌悪感をむき出しているナマエの顔を、ほくそ笑みながらじっくりと鑑賞する。今まで遠目にしか見たことが無かったが、成程綺麗な顔立ちをしている。こいつをはべらすことが出来たらさぞかし気持ちが良いだろう。
「だけどな、違うんだよ…」
そう呟きながら腰に当てた手をゆっくりと際どい位置へと進ませる。ナマエはビクリと体を跳ねらせると、珍しく体を動かし抵抗してきた。無駄な事をしやがる、とニヒルな笑みを零しながら、ナマエを動けないように己の胸の中に抱きすくめる。
「おいおい、そんな暴れんじゃねぇよ。なんだ、怖いのか?」
耳元でそう囁けば、ナマエは一層暴れ出した。だが所詮縛られた体で、女だ。俺にとっては生意気な猫が暴れているくらいの可愛いものだ。
「安心しろ、たっぷり可愛がってやるよ」と低い声で呟く。あぁ、俺のモノになった暁にはこいつの額に俺と同じような刺青を入れてやろう。逃げられないように、首輪をつけてな。
(お前は俺の女だ…そうだろう?)
昔は犯罪者に刺青をいれる刑があったそうですね!顔とか腕とかに刺青を入れてる人=前科者みたいな目で見られたとかどうとか。
今回は刺青を入れることによって表の世界に帰れなくして、ずっと手元に置いておきたい高沼親分のお話でした!説明乙だね!