アバンチュール!







ギャレスがよろめきながらも、私の部屋にやって来たのはつい先程の事だ。今は私のベットの上で横になり、定期的に「すみません少佐」や「迷惑でしたら言ってください、すぐに出て行きますので」と言ってる始末だ。

「ギャレス、貴方それ言うの何回目だと思ってるの?それに迷惑だなんて思ってないから安心しなさい」
「すみません・・・」

柄にも無くグッタリとしたギャレスに驚きつつ、ベットに腰掛けて看病してやる。「何か欲しい物はある?飲みたい物は?」と優しい言葉をかければ、決まって「貴女が居てくれるだけで十分です」などと甘い言葉を返してくるのだから困ったものである。

「ギャレス、それじゃあ体調良くならないわよ」
「大丈夫ですよ、ただの悪酔いですし」
「・・・ということは、私は酔っ払いの看病をしてたという訳かしら?」
「まぁ、細かい事はいいじゃないですか。それに此処まで弱った私を見る機会は早々ありませんよ?」

辛そうにニヒルな笑みを零すギャレスに、思わずはぁ・・・と大きな溜め息を吐いてしまう。顔を若干顰めながら「今回だけよ」と溜め息混じりに言えば、ギャレスは相変わらず笑いながら「どうでしょうか、味を占めてしまいましたからね」と返してきた。

「まったく・・・でも貴方が酔うだなんて、珍しいんじゃない?」
くすくすと、笑いを零しながらギャレスに問いかける。
「ああ、その話なんですがね、シタデルでガードナーに会ったんですよ」
「あら、久しぶりね。元気そうにしてた?」
「えぇ、相変わらずの様子でしたよ・・・それで彼から記念に、と右旋性の酒を頂ましてね」
「で、飲んでみた結果がコレかしら」
「面目ないです」
恥ずかしそうに目を流しながら、ギャレスは頬を掻いた。
「いいわよ、で、美味しかったの?」
「えぇ、非常に美味だったんですが如何せん度数が高くて・・・」
「で、フラフラになりながらも私の部屋に来た、と」
「あのままだと主砲室で倒れる勢いでしたので。そんな姿をジョーカーに見られると後々厄介ですから」
「まぁ、絶対話のタネにはされるでしょうね」
「でしょう?それだけは回避したかったんです」
「・・・私が他に言いふらすとは考えなかったのかしら?」
悪戯心が踊るといわんばかりの笑みを零したが、ギャレスは動じる事なく言葉を続けた。
「少佐は他の人に惚気話をしない事は知ってますので」
「(コレは惚気に入るのかしら)・・・あら、他の人に話して欲しいの?」
「ええ、是非。悪い虫が寄付いては困るので」
「相変わらず澄ました顔で言うわね・・・その調子なら私よりも、ギャレスの方が寄付いていそうだけど」
「おや、今頃気付かれたんですか?早く繋ぎとめておかないと、貴女のギャレスは悪い虫に攫われてしまうかも知れませんよ」
「あら、それは困るわね。でもどうやって繋ぎとめればいいのかしら?」
「簡単ですよ」

そこまで言うと、ギャレスは私を引き寄せ、私の上に跨った。そして慣れた手つきで服を肩まで肌蹴させると、ギャレスはそこに顔を埋めた。ちくり、と肌が痛むのを感じ、噛まれたのだとすぐさま理解した。

「歯形、ね・・・暫く肩のでる服は着れないわね」
「着ればいいじゃないですか。虫除けに最適ですよ」
「・・・私もやり返すべきかしら?歯形」
「是非・・・とお願いしたいのですが、少佐の歯が心配ですので。代わりに傷でも作りましょうか?右頬の、貴女が酷く気に入ってたあの傷のように」
「あら、勘違いしてるようだけど私は今でもこの傷跡、気に入っているわよ?」

ギャレスの頭に手をまわし、軽く引き寄せると、痛々しく残っている傷跡に口付けを落とした。途端にギャレスは、三本指の手を私の頭にまわし、顔を近付け啄ばむようなキスを何度もおとした。ギャレスのあまりの成長っぷりに、人知れず苦笑いを零さざるおえなかった。

(まったく・・・こんな知識、何処で得たのよ)
(ジョーカー、EDI、モーディン・・・挙げればきりが有りませんね)
(・・・・・・・・・・・)

(20120324)






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