強制睡眠






眠たい・・・という気持ちが頭の中で何度も反復する。立ち上がる気も起きず、先程からずっとベットに腰掛けた状態で呆けていた。ナマエ、と何処からか私を呼ぶ声が聞こえ、その声に反応してそちらを向けば、マットが何か言いながらこちらに歩いてきていた。まともに動いていない頭では理解できなかったが。

流石に夜更かしした日に早起きだなんてキツイな、などと揺れる頭で思っているといつの間にかマットが目の前にまで来ていた。そしてもう一度、自分の名前を呼ばれた気がしてゆっくりと顔を上げる。マットはこちらの呆けた顔を見て少し驚いたようだったが、数秒程考えるとニヤリと口角を上げた。
すっと目の前に居るマットが屈み、目線の高さを合わせられる。

「今起きたのかい?すいぶんと眠そうだね」
「あー・・・うん・・・」
「なに?まだ寝惚けてるの?全く・・」
「うるさい・・・ほっとけ」

途端に目の前に居るマットが深いため息を吐き、ホント年上だとは思えないね、という小言が聞こえてきた 。
「子供は黙ってなさい・・」と何も考えずに呟いたが、それがいけなかった。普段から子ども扱いされるのを毛嫌いしてるマットがこの言葉を聞いて眉を寄せるのは至極同然の事で。

「ガキ扱いしないで欲しいんだけど?」
「子供は子供じゃん・・・煩い所とかホント、」

そこまで言いかけた途端、世界が反転した。
どうやらマットに押し倒されたようで、私の視界一面に天井が広がっていた。ちょっと、と抗議の声を上げ様とすると、何時になく不機嫌な顔をしたマットが口を開いた。

「随分と眠そうだから僕が直々に寝かせてあげるよ?それと、ガキじゃないって事思い知らせてやる・・・」

不穏な空気に身の危機を感じ、起き上がろうとするがマットがそれを許すはずもなく。肩を押し付け身動きを封じると、逃がさないようにか上に跨ってきた。マットの顔を窺い見ると、顔に影が差しており思わず背筋が凍った。マットはそのまま顔をナマエの首筋に当てると、ほんのりと跡が残る位に歯を立てた。

突然の行為に驚き、「ちょ、やめ・・・!」と声をもらす。手で押し返そうとしたが、逆に手を取られベットに沈められる。もはや眠気など消え失せ、有るのは焦りと驚きとわずかな恐怖心だけだった。そんなこちらの心情など露知らず、マットは首筋から流れるように鎖骨へと舌を這わせた。

「うぁ・・・!」と快楽に身を悶わせ必死に耐える。「マット、あ、謝るから・・・!だから・・・」一杯一杯の感情に、思わず目頭が熱くなる。私の言葉を聞いてか、マットは顔を上げてこちらを見下げてきた。

「嫌だね。さっきの発言、後悔させてやる・・・。まぁ、そんな姿見せられて止めれるわけ無いけど」

「え・・・?」と発言の意図が分からず、骨の無い返事を返してしまう。「分んなかったかった?まぁ、身をもって味わうから・・・安心しなよ?」ニコリ、と笑顔を向けたかと思った瞬間、マットはシャツを思い切り引張り引き裂き、ブツリとボタンが弾き飛んだ。突然の行動に思わず目を点にする。

「・・・は?いや、ちょっとま・・・!」と混乱する私をよそに、マットは何事もなく肌蹴た肌に口付けを落とした。

「ふ・・・!んんん・・・!」

もぞりと身体を震わせ、しかしながら声は出さないように必死に耐える。

「こんなによがってさぁ・・・ガキ相手に涙目になって恥ずかしくないの?」

「・・・ガキって認めてるじゃないか・・・」

煽りに対し、揚げ足を取る形で反抗する。途端に目の前のマットが眉を顰め、押さえつけている手を一層強く握ってきた。痛さに顔を顰めると、マットは腕から顔に手を移動させ私の顔を掴んで自分に向けさせた。

「ちょっと・・・黙っててよ」

ぐい、と後ろ髪を掴まれ顔を動かせれない様にされる。痛さに声が漏れでたため、ほんの少し口を開けてしまった。その瞬間を見計らってかマットはナマエに口付けを落とした。そして歯列をなぞり、逃げ回るナマエの舌を絡めとると、今度は息を吐かせぬように啄ばむようにキスをする。

「んー!」と抗議の声を上げ、空いている方の手でマットを押し返す。が、押し返せれる程の筋力があるはずもなく。次第に酸欠になっていくナマエはどんどん抵抗が少なくなり、最初の姿と比べて酷くグッタリとしていた。抵抗が弱まると、マットはゆっくりと口を離し、肩で息をしているナマエを見下ろした。

「これはちょっと・・・やばいね」と荒い呼吸を繰り返すナマエを見てマットは小さな声で呟いた。仄かに流す涙に骨抜きになった瞳で見つめてくるその姿は酷く艶めかしく見え、マットはゾクリとそそられるのが分かった。再度キスをすれば、「ふ・・・」とナマエは小さな喘ぎ声を漏らした。

押さえつけていた手を離しても、ナマエは諦めたのか疲れきったのか、押し返してきはしなかった。ほんのりと手首に痕が残ったその手はキュッとシーツを握り、快楽に耐えているようだった。肌をなぞる様に下半身へと指を滑らしていけば、ビクリとナマエは身体を振るわせた。その顔からは焦りの色が見えた。

「そ、そっちはだ・・・っ!ぁっ・・・!」全てを喋らせる前に、露になった胸に舌を這わせて阻止する。

「マ、マット・・・!おねがっ・・・い!やめ・・・うぁっ!」
「・・・だったら、誠意を込めて"ごめんなさい"って言わないとね・・・?」
「う・・・ご、ごめんな・・・さ・・・」

とろけた顔で必死に訴えられれば、マットの自制心など容易く壊れるわけで。許すと言いながらも、次に行なった行動は己をあてがうことだった。
「んんんん!!」と必死に声を殺しながら、ナマエは背を仰け反らせた。マットは熱い息を繰り返すナマエの身体に覆い被さり、徐々に己を深く突き刺していく。
好きだ、とうわ言のように呟くマットの声は、マットの動きに呼応するように漏れ出るナマエの嬌声によって打ち消された。

「んぁっ・・・!・・・!っぁ・・・!」

ナマエが声を零す度に、マットも次第に呼吸が荒くなる。緩みそうになる口をしっかりと噛締め、一際強くナマエを引き寄せるとマットは達した。

マットは己を引き抜くと、肩で息をしているナマエの隣にバタリと倒れ込んだ。ギシリ、とベットから悲鳴が聞こえる。ナマエの荒い息、熱を持った瞳、零れる涙、全て自分がしたのだと思うと、マットは非常に満足だった。悦に浸っていると、目の前に居るナマエがほんのりとこちらを睨みながら声を上げた。

「ばー・・・か・・・うそ・・・つき・・・」そこまで言うと、ナマエはふい、と顔をそっぽに向けた。嘘吐き、と言われ一瞬何のことか分からなかったが、先程の"謝ったら許す"の事だと気付き、思わず苦笑いを零す。

「その・・・ごめんね?ついついおさまりつかなくなっちゃって・・・」

返事が返ってくると思い、暫く口を閉じていたのだが、何時まで経ってもナマエからは返事は返ってこなかった。流石に不安に思ったマットは、再度声を掛けた。

「ね、ねぇ・・・?ナマエ・・?もしかして・・・怒ってる?」

この問いかけに対しても無言だった為、マットは焦りを隠せなかった。
ねぇ、と言いながらそっぽを向いているナマエをこちらに向けさせようと、肩に手を置く。肩に手が触れたかないか、その瞬間クルリとナマエは振り向いた。良かった、とマットが安堵した瞬間、肩に置こうとしていた手をナマエに絡め取られた。え?と疑問の声を上げるのは次はマットの番だった。
手を取られた、と気付いた時にはマットはナマエにマウントをとられていた。

「ちょ・・・!ナマエ・・・!」
「許さない・・・・・・、なんてね。だけど、あんまり大人をからかうんじゃありません」

程よく乱れた姿で、色を持った声でそんな事言われたのだから、マットは思わずゴクリと生唾を飲んだ。
スッと目を伏せながら、指で擦る様ににマットの頬を数回撫でる。先程の事もあってか、マットは顔に熱がこもり、鼓動が早くなるのがよく分かった。
「さて・・・私はシャワー浴びてこようかな」そう呟くと、ナマエはスルリとマットの上から降り、扉の向こう側へと消えていった。

主が去った部屋で数秒ほど呆けた後、マットはボフリと枕に顔を埋めた。途端にナマエの香りが鼻孔をくすぐる。無性に抱きしめたい衝動に駆られたが、当の本人はもう居らず。変わりにぎゅうう、と枕を抱きしめ、酷く長く感じる時間の中で待ちくたびれるのだった。

(僕も、随分と依存しちゃってるね・・・。ケンジントン君の事、笑えないなぁ)


よく考えたらこれって犯罪だよねって思ったんだけど、セインツの世界で犯罪とか今更すぎる。まぁ主人公年齢不詳って事にすればいいよね!
(20120208)







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