折れない心の続き
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意識を手放す瞬間、内心やっと終わったと安堵していた。やっとこのふざけた状況から抜け出せることが、ただ嬉しかった。今の破壊神にとっては、篝火の暖かさが何より恋しかった。意識を失うのが、嬉しかった程に__。
「どういう、ことよ・・・」
意識を取り戻して広がった世界は、先程と何の変わりも無かった。
想像と違いすぎる現実に、狼狽の色を破壊神は隠し切れなかった。もぞりと体を動かせば、腕のほうから痛みが走る。何事と思い目をやると、相変わらず私の剣が腕に突き刺さったままで、改めてこの状況が現実であるとこを痛感させた。
何もかもが、先程と同じ状況だった。強いていえば、傷が何箇所か治っている事くらいしか変化が無かった。
「お目覚めの気分はどうだ?・・・クックックック」
声が聞こえたと同時に、頭を踏まれ、激しい圧迫感を覚える。悪態を吐きながら、にじり踏んでくる足に抵抗し顔を上げれば、案の定一番会いたくなかった奴がそこに居た。
「どうした、その顔は?動揺が隠しきれてないじゃないか?」
「この腐れが・・・!何をした!」
暴言を吐いた途端、足の力が一際強くなり思わず顔を歪める。頭の骨が軋み始める中、ロートレクは私の目の前に瓶を放り投げた。見覚えのあるフォルムに、直ぐにそれが何かを理解した。__エスト瓶だ。
「貴公が死なないよう、わざわざ飲ませてやったのだぞ?感謝して欲しいものだ・・・クックックック・・・」
兜によって表情は見えないが、中でほくそえんでる事ぐらい破壊神も理解していた。なぜここまで生かすことに固執しているのかは、理解できなかったが。
「殺してくれたほうが、余程ありがたい。殺せ」
「フン、貴公も強情な・・・。何度も言っているだろう、殺すつもりはない。と」
「あいにく、こっちも謝るつもりはない。どんな事されてもね」
エスト瓶を飲んだおかげか、少しの間だけでも休めたおかげか、普通に話せるほど破壊神は回復していた。傷も軽いものは治り、重度のものも薄らと傷跡が残っている位にまで治っていた。隙を見て、反撃してやろう_と思えるほどに体は癒えていた。
「だったら、仕方が無いな」
そう言うと同時に、ロートレクは破壊神に肩を強く押しながらマウントを取った。勿論、先程ショーテルを突き刺した側を。
押し倒される衝撃に、治りかけの傷がじくりと痛み、破壊神は眉を寄せる。そして先程よりも近くにあるロートレクの顔に、嫌悪感を露にする。
するりとロートレクの手が、足にのびた。「何を・・・」と怪訝な顔で睨んだが、ロートレクは沈黙を保っていた。_嫌な予感がする。破壊神は直感に従い、逃げるように体を動かす。が、それに感付いたのかロートレクは肩を押す力を強め、そして手に持っていたショーテルを服に当てると、躊躇う事無く引き裂いた。
「なっ・・・!」
予想外の行為に、思わず目を点にする。想定外のロートレクの行動に、破壊神は数秒ほど混乱していたが、これから何をされるのかに気付くと同時に、恐怖が体を駆け巡った。
嘘だ、こんな__何故、と思考がまとまらない破壊神をよそに、ロートレクは悠々とはだけた破壊神の肌を擦るように撫でた。ぞくりと、己の肌が冷たい手に触られる感覚に、破壊神の恐怖心は更に煽られた。逃げたい、という思考が頭を支配する。そうだ__ダークリングを使って_
「逃げるのか」
ロートレクの見透かしたかのような物言いに、はっと意識が覚醒する。自分の感情が吐露していたという事実に、腹が立つ。なにより"尻尾を巻いて"逃げるのか、と言われていたのは明白で。その馬鹿にされた感が破壊神の恐怖心を苛立ちへと変えていった。
「寝言は寝て言え、下衆が」
先程と打って変ってでた態度の違いに、思わずロートレクはほくそえんだ。そう_それでいい。逃げられたりでもしたら、つまらないからな。と内心で呟いた。意外なまでの事の進み具合に、思わず笑ってしまう。途端に眼下にいる破壊神が嫌悪感の色を一層濃くしたが、それはロートレクの可虐心を煽っただけだった。その反応が面白く、煽るように「いい子だな」と破壊神の耳元で囁けば、破壊神は怒りを露にし、一層暴れた。
そんな破壊神をよそに、ロートレクは止めていた手を内腿にへと流れるように動かした。途端にビクッと破壊神が体を竦ませるのが分かる。概ね予想道理の反応に、ロートレクは勝ち誇ったのような笑みを浮かべた。そのまま秘部へと指を動かすと、破壊神は顔を歪め、一際強く暴言を吐いた。そんな態度がロートレクの劣情をそそらせてるとは露知らず、破壊神は頑なに暴れ続けた。
そろそろか、と呟くと同時にロートレクは腰を持ち上げ、己のものを宛がった。いきなりの行動に破壊神は「っ_!」と声を上げそうになるものの、唇を噛締めそれを押し殺した。
くそ、と破壊神のなかに屈辱感が駆け巡る。あまりの情けなさに、思わず目頭が熱くなるのを感じ、とっさに腕で顔を隠す。_泣き顔を見られるなんて絶対に嫌だ。ただでさえ己のプライドはズタズタだというのに。
そんな様子を一部始終見ていたロートレクは、思わず眉を顰める。_これでは顔が見られないではないか。それではつまらない、と苛ただしげに舌打ちをすると、顔にかかっている手を掴んだ。
「どかせ」
半ば命令口調で言えば、弱弱しく「誰が・・・」と憎憎しげに破壊神は呟いた。この際無意味なプライドなど捨ててしまえばいいものを、破壊神は手首を締め付ける痛みにも構わず退かそうとしなかった。チッ、と大きく舌打ちをすると同時に破壊神に体を深く沈める。責めたててくるような快楽に思わす破壊神は背を仰け反らせ、熱い息を吐いた。
ほんの少し、腕の力が緩まったのを見際め、ロートレクは一気に顔から腕を引き離した。
そこにはほろほろと涙を零している破壊神の顔があり、ロートレクはぞくりと感情が高ぶるのが分かった。
「離せ」と涙をつたらせながら暴れる姿には、もはや欲情しか湧いてこなかった。喋っている最中に体を動かせば、嬌声が漏れ出、その度にしまった、というように破壊神は顔を歪めた。それが楽しく、狙って何度もしていると次第に破壊神は口を噛締め、喋らなくなった。
「どうした、えらく静かになったじゃないか・・・クックックック・・・」
「・・・下衆が・・・っ!ぁっ!・・・!」
「フン、まだ強がるか・・・だったら、」
そういい終わらない内に、ロートレクは破壊神の悦い所を重点的に責め立てた。先程からただ抱いていた訳ではない。顔が見たかったのも、破壊神の弱点を探したかった為でもあった。
破壊神の額に、ぶわりと汗が浮かび上がる。これは、流石にまずいな。と余裕の無い脳みそで破壊神は思った。といっても、破壊神になすすべは無く、迫りくる快楽に必死に身悶えながら耐える事しか出来なかった。
といっても、やはり軽い喘ぎ声は漏れてしまうもので。加熱する行為に、知らず知らずのうちに口が緩み始めていた。
「ふ・・・っ・・・!っぁ!」
一際強く、口が開いた瞬間ロートレクは己の指を破壊神の口に入れた。いきなりの出来事に破壊神は驚いたが、直ぐにその真意を読み取った。コイツ・・・口を閉じさせないようにするつもりか_!その徹底した嫌がらせに、苛立ちが募る。口に入れられた指を噛み切ってやろうと歯を立てるが、流石に金属相手に勝てるわけがなく_。結果として、その後ロートレクが"お仕置き"と言わんばかりに逃げ回る舌を掴みながら弄び、抓った。
開けられた口からは否応無く声が漏れる訳で_。閉められない口からは、先程と打って変ってロートレクの動きに呼応するように甘い声が漏れでた。
先程より断然声を上げるようになった破壊神に気を良くしたロートレクは、押さえつけていた腕の拘束を解いてやった。強く押さえつけていたせいか、破壊神の手首はうっすらと変わっていた。
数秒ほど、破壊神は腕の拘束が解かれたことに気付かなかった。が、手が軽くなった感触に気付き、やっと解かれたことを理解した。すると、破壊神は先程と同じように顔を隠そうと、ゆっくりとだが、腕を動かした。
そんな様子をロートレクが見逃すはずが無く。顔を隠す前にぱしり、と腕を掴まれ地面に押さえつけられる。わざと変色した所を強く押してやれば、破壊神の顔がほんのり痛みに歪んだ。
今の破壊神は、心身ともに満身創痍だった。最初の頃のように怒る力も残っておらず、抵抗も弱弱しいものになっていた。しかし、自尊心はズタズタになりながらも捨てた訳では無かった。涙を含んだその目からは、限りない憎悪を宿した目がロートレクを睨んでいた。
まだそんな目で見る元気があるのかと、内心ロートレクは驚いた。それと一抹の苛立ちを覚え、息を吐かせるまもなく激しく突き入れた。「っあ、うぁっ・・・!あっ・・・!」と破壊神の駄々漏れ出る声を無視し、動きを早める。
「っ_」
ぎり、と奥歯を噛締め、一際強く体を抱き寄せるとロートレクは中に精を注いだ。動きを止めて、汗ばんだ破壊神の顔をこちらに向けさせ、ついでに口から指を引き抜いてやった。
もはや肩で息をしている破壊神に、「どうだ?大嫌いな奴に抱かれた感想は_」と笑いを含みながら聞けば、破壊神は口だけを動かし、くたばれ、と伝えた。
よろしいならば、と抜きかけていた己をもう一度深く尽きさす。流石に終わっただろうとおもっていた破壊神はこの行為に酷く驚いた。じんわりと、痺れる様な感覚に自我を失いそうになる。
「 」
絶望の淵が、見えた気がした__。