バーズの前では(馬鹿にされるので)弱いところを見せないために、この三つの武器をかついでシェイディンハルの戦士ギルドから出てきたのだが、かなり重たい。そのせいかシェイディンハルから出た時はもう三つの武器を地面に置いて、椅子代わりに座っていた。ラトは、はぁとため息をつくと呟くように「ズィヴィライ」と呼んだ。
突如赤い霧がラトの前に現れた。がすぐに霧は晴れ、かわりに青鬼のような者がラトを不機嫌そうに睨みつけながら見下ろしていた。だがラトは臆する事無くけらけら笑いながら「久しぶりー」とズィヴィライにひらひらと手を振った。
「ズィヴィライーこれ持って」
その言葉にズィヴィライは一層眉間に皺を寄せたが、「…御意」と言うと軽々と武器を肩の上に乗せた。ラトは「流石!!ありがとね」とズィヴィライに言うと一緒に荒涼たる採掘坑に向かったのだった。
***
荒涼たる採掘坑前。服従嫌いのズィヴィライが(珍しく)素直に手伝ってくれたので特に疲れる事無く此処まで来る事が出来た。まぁその代わりにズィヴィライはかなり不機嫌だったが。洞窟前まで武器を運んでもらい、感謝の言葉を述べる。相変わらず不機嫌顔だったが、数度頷くと特に文句も言わずに帰って行ってくれた。よかった、と胸を撫で下ろしながら武器を抱え持ち洞窟内へと足を進めた。
洞窟内。洞窟内は思った通り真っ暗だった。あまり幻惑魔法は得意ではないが、手が塞がっているので松明は使えない。ふぅ、とため息をつき「Свет」と呟く。途端に体が淡い緑色に輝き周りを照らした(まぁ足元位までしか照らしてないが。)余りに乏しい光に若干げんなりしながらも奥へと進む。
奥へ進むと焚火を囲む三人組が見えた。武器を持っていないところを見ると、おそらくこの三人組に武器を渡せばいいのだろう。顔は良く見えなかったが、向こうもこちらに気がついたようでずっと此方に顔を向けている。とりあえず警戒を解くために要件を述べることにした。
「えーっと、ギルドから武器を持って来たんだど…ってリエナ?」
「あれ、ラトさんじゃないですか。お久しぶりですね」
リエナの言葉に「ホントにね」と返す。当のリエナは若干不思議そうな顔で私を見ていた。
多分、なぜこの階級で武器運びなどしているのかが不思議なのだろう。苦笑いしながら軽く理由を説明するとリエナは納得したように頷いた。そして私の持ってきた武器から弓を取りだし、感謝の言葉を述べると他の二人の名前を呼んだ。その様子を見る限り、どうやらリエナがこの依頼ではリーダーを任されているらしい。
途中、武器を受け取った二人が名前を言ってくれた。どうやらオークの彼はブラグ・グロ・バーグ、ハイエルフの彼はエリドールと言うらしい。リエナが言うには二人とも腕は中々だが、オークの彼は興奮すると前が見えなくなって困るらしい。リエナは「でも、それをまとめるのがリーダーの仕事ですよね」と苦笑いしていた。(大人だなぁ)ふとリエナが思いだしたかのように声を上げた。
「そういえば、ラトさんどうゴブリン達を攻めるんですか?」
「え?リエナって作戦とか立てて無かったの?」
「いや立ててましたけど…階級的にラトさんが指揮するべきかと思って」
「この依頼のリーダーはリエナでしょ?階級とか関係ないよ」
そう笑いながら言うとリエナは不服そうに「でも…」と返してきた。相変わらず堅い頭のリエナに「ご指示を願いますよ、指揮官殿ぉー?」と言うと呆れたかのように肩を落とし「ラトさんは相変わらずですね」と言い、メンバーを呼んでくるよう私に指示した。
その指示に二つ返事で答えたが、相変わらずリエナの顔は晴れて無く、そんなリエナに軽く笑いながらバーグとエリドールを呼びに行った。
終わらんよ・・なぜだ、何故こうも進まないんだー!!まさか荒涼たる洞窟で3話も行くとは・・・。すみません!!