SS詰め合わせ 坂田 @

星空の下
揺蕩うように溢れる綺麗な星の川を見上げれば、わたしの目はもうそれに釘付けだった。「わあ」歓声の声をあげる。幼子に戻った気分だ。そんなわたしにかかる優しい言葉「すげーだろ」。とても陳腐でありきたりな言葉だけど、わたしは素直に頷いた。銀時は、そんな子供みたいなわたしに優しく笑みをこぼした。


秘密の、(3Z)
誰もいない国語準備室、銀八の散らかし放題の机と書類棚に囲まれたこの狭い空間。クーラーの効いた部屋の中で、わたしは彼を待っていた。机に散らかされたノートには、彼の少し丸みがかった文字が書かれている。こうして彼を待てるのは、わたしだけ。わたしだけが、許された待ち合わせ場所。


頭のいい人
銀ちゃんって、教え方が上手だ。わたしがわからないことがあれば専門的な用語じゃなくてももっと、こう、わかりやすく噛み砕いて説明してくれる。しかもそれがわたしにとって一番わかりやすい噛み砕き方なもんだから、多分銀ちゃんは頭がいい人なんだと思う。わたしとは、正反対だ。



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