君が縫う
暫くそうして居たけれど、苦しくなったわたしが銀時の肩を軽く押す。
銀時とのキスは、たとえ女の子になっても長くて甘い。だから、時間も忘れそうになる。……結果として、いつも息苦しくなって、わたしが中断させるのだけど。
名残惜しげに離れた唇が、熱を失って冷めていくのがわかった。それが少し寂しくて。だけど、もっとしてほしいなんてはしたないことが言えなくて。
「このままエッチしよーぜ」
「……もうしようとしてるよね」
「うん。だって、一回は女同士ってのも体験してみてーじゃん。未知の領域だし」
「……銀時、いい身体してるからなぁ」
ついつい思ったことを口に漏らすと、銀時がまたムッと顔を顰める。「お前、また」と言いかけた口に「ち、違うよ」と焦って弁解の言葉を続ければ、疑いの眼差しがわたしをジッと見つめてきた。
「あ、の、その!銀時、いい身体してるでしょ!だから、触れたら柔らかそうだなって!思ったの!いやらしいこととかじゃなくて!そうじゃなくて!」
「あーはいはい。もういいよ、そんな言い訳しなくて。お前わかりやすいんだから」
「そ、そんなこと」
「そんなことあるの。お前まだわかってねーみたいだから言うけどさぁ。俺がこうやって女になってもチューしたりエッチしてーなって思うのも、お前だけだよ。お前の身体に、女として触れてみてぇの」
今日の銀時は、なんだか素直だ。普段なら、こんな事あんまり言わないのに。
これも女の子になったから?それともわたしが、自分自身と銀時を比べて少しばかり落ち込んだから?
わからないけど、どちらにせよ今日の銀時はいつになく素直なのは変わらない。し、それがひどく愛おしいと思っているのも変わらない。
「ま、御託はいいか。これから銀さんがお前をどんだけ好きか理解してもらいまーす。身体で、しっかり覚えてくださいねェ、名前チャン」
着物から覗く太ももを普段触れられる硬い手とは違う、柔らかくて温かい手が触れた。この状態は、きっと銀時がわたしに有無を言わさない時だ。
それでもいいや。……今日くらいは、何も止めないでいてあげよう。
title:まばたき
20180804