
ふたつめ
今日もまたあの夢。いつも同じ夢を見る。
わたしがいて、それから見たことも、況してや会ったことすらない綺麗な銀色の髪と紅色の目をもつ男。まるでわたしの全てを見透かすような深い紅色が、ひどく印象的だった。
わたしは普段から着ている私服で、男はいつも白と黒のメンズものの着物を着ていて。
混じり合いそうにもない二人の男女が、街を歩いていく夢だった。
ーー「名前」
わたしの名前を呼ぶ声は、優しくもあり、底に沈む暗い闇が孕んだ低さ。
ーー「おいで」
わたしの手を優しく包み込むように握る大きな手は少し骨張っているけれど、力強くて。
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最初の夢は、わたしの部屋だった。何をするでもなく何を話すでもなく、ただただ二人。同じ空間に居るだけだった。
わたしの手に重ねられた掌は、まるで本当にその場にいるような。夢ということすらも忘れてしまいそうなほど温かく、ゴツゴツとした骨張った感触がやけにリアルで。
ーーいつも薄気味悪さを感じてしまう。
背筋を走る悪寒とは裏腹に、夢の中のわたしは至って普通で。そこに男がいるのが当たり前かのように思っているのだ。
起きた時は、いつも肌寒さを感じて。クーラーもつけてない暑いはずの部屋は、身も心も凍るような寒さだった。それでもーー眠っている時にかいた汗が肌にまとわりつく感覚が気持ち悪くてーー布団から出たくて仕方なくて。
今日も例に漏れず、わたしは布団から逃げるように出るのだ。
以前のわたしなら、布団から出るのを躊躇ってもぞもぞと覚醒するまで包まっていたというのに。
それがいいことなのか悪いことなのか、わたしにはよくわからなかった。
20180801