料理担当





今日も明日もずっと。


私はキミの傍にいたいんだ。



「こんにちはー!」



いきおいよく玄関のドアを開けると良い香りが漂ってきた。



「げっ!エレノア!」



キッチンからティーダが顔を覗かせている。



「げって何!?げって!可愛い彼女が来てあげたのに!」



勝手知ったる彼氏の家。

私はズカズカとキッチンまで歩みを進める。



「わぁ!おいしそう!」



ちょうど今は昼時ということで、ティーダは昼ご飯を作っていた。

どうやら今日のメニューはチキンライスのようだ。

ぐうぅ〜〜〜…

そしてタイミング良く鳴る私のお腹。



「エレノアも食べるッスか?」



そんな私に苦笑しつつ降ってきた声。



「い、いいの?」

「だってまだなんだろ?昼飯。それにやっぱ量多いしな」



ティーダはニカッと笑い、二人分のお皿を用意し始める。



「わーい!チキンライス!」



私もコップと飲み物の用意をする。

二人で準備をするとあっという間で。



「ではでは、いっただきまーす!!」



テーブルに二人、向かい合って座り食べ始めた。



「ん〜!おいしい!やっぱりティーダは料理上手だよねね」

「昔からオレが料理担当だったからな!」



自信満々に言うティーダだったけれど、その表情は少し寂しそうだ。

ティーダの料理の量が多いのは昔からのクセのせい。

おじさんとおばさんと自分。

量が少ないと料理出来ないんだよね?

ちょっぴりしんみりとした空気を変えたくて私は口を開く。



「そうだ!今度私に料理教えて?」

「…は?」



突然の質問に固まっているティーダ。



「え、だって私も女だよ!?彼氏にご飯作ってあげたいワケですよ!」



私の家庭は両親健在。

それに少々不器用な私はあまり料理の手伝いをしない…。

もちろんこのことはティーダも知ってること。



「無理」



しばらく考え込んでいたティーダから答えが出た。

え…?

今の聞き間違いじゃないよね?



「なっ!?なんで!?なんで無理!?」



予想外の答えに私は立ち上がって前のめりになる。



「エレノアは料理しなくていいッス!ずっとオレが作るから」



は?

…そ、それって…?

ティーダの顔がほんのり赤い。

私の顔はきっともっと赤い。



「さ、さぁ!ちゃっちゃと食ってブリッツの練習!練習!」



再びチキンライスを食べ始める。



「ちょ…ちょっと今誤魔化したよね!?」

「な〜んのことッスか〜?」



もう…!

でもそんなキミが大好きだからしょうがない。

これから先も一緒に居ようね。

でもたまには私の手料理も食べさせてやるんだから!