#note_title#義姉とのデートに余計な男まで着いてきた話

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義姉とのデートに余計な男まで着いてきた話



義姉とのデートに余計な男まで着いてきた話



※DPt+BDSP(一部設定)世界
※ウォロさんが転生してシンオウ地方で暮らしてます
※ゲーム主人公≠夢主
※夢主の出身地設定あり
※ウォロとシロナ兄妹設定



シンオウ地方三大都市の一つであり石に囲まれた空間と称されるトバリシティ。某組織のアジトがありその連中がうろついたり、ギャンブルのやりすぎに破産へと追い込まれた人が出るなど治安の悪い街であったが、都市開発が進められ今ではより良い暮らしを求め人々が集まる活気溢れる街となった。
そんなトバリシティのポケモンセンター前で彼女と待ち合わせを約束したのは数日前……二歳離れた兄の新居へ赴いた時。あたしの誘いを受けた時の彼女の顔は、一つ歳上でありながらも幼さの残る顔で喜んでいたのを思い出し自然と笑みが浮かぶ。

「早く来ないかしら」

逸る気持ちが自然と口からこぼれる。
あと少しかしら、愛用の小説を読みながらベンチに座って待つ。それから数分と経たないうちに前方から当たりをキョロキョロ見渡しながら走ってくる女の子を見つけ、それが彼女だとわかると手を振って声を掛けた。

「義姉さんこっちよ」
「あ、シロナちゃん!お待たせ〜!」

こちらに気付くなり手を振り返して走ってくる義姉さん…なまえさんはさらにスピードを上げてあたしの元へとたどり着く。

「ごめんね、遅くなっちゃった!」
「大丈夫、あたしもさっき来たとこなの」
「ほんとかなぁ…?あ、待ってね…今ウォロさんに合流したって連絡しないと」

軽く息を整えてからトゲピーのマスコットがついたバッグからスマートフォンを取り出す。そう言ってメッセージ画面を開くと素早く文字を入力して遺跡巡りで不在の兄へ報告を始める。

「ええ…普段からそんなことしてるの?」
「うん、ウォロさんがしなさいって」
「気持ち悪いわね…」
「あはは」

兄の気持ち悪い面を垣間見て思わず言葉がもれる。義姉さんは特に何も言わず笑ってすませてスマートフォンをバッグへとしまい込んだ。

「シロナちゃん、今日はどうしてトバリシティに?」
「実はトバリデパートの地下に新しくアイスクリームショップが出来たのよ…!あたしアイスには目がなくて!気になって仕方なかったのよ」
「そうなんだ!」
「中にはイッシュ地方で食べられるヒウンアイスも数量限定であるそうよ、義姉さんはヒウンアイス食べたことあるかしら」
「ないなぁ〜私ジョウトから出たことなかったし」

そう、今日義姉さんをトバリシティに誘ったの今後お世話になる彼女との交流を深め仲良くなる事。立場上沢山の人との付き合いはあるもののこうしてお出かけしたり、歳の近い者同士遊びに行くこともないので今回彼女とのお出かけを機にお友達になろうという考えだった。家族同然なのだからお出かけくらい普通だと言われるだろうけれど…兄が(異常なほど)過保護な様子で、過去に何度か誘ってみたけど誘った分全て兄に断られてきた。だから今日という日はまたとないチャンスなのだ。
ピッと人差し指を立てあたしの大好きなアイスクリームについて語れば少し興奮気味に食いつく。

「食べる価値は大いにありね!じゃあ行きましょうか、義姉さん」
「し、シロナちゃん」

目的地へと向かうためトバリデパートへと足を進めればふと呼び止められる。とても真剣な顔をしてこちらを見るものだからあたしも何かあったのだと向き直る。

「どうしたの?」
「その…私、シロナちゃんからしたらお義姉さんの位置だとは思うんだけど歳も近いんだし堅苦しい呼び方じゃなくてなまえって呼んでほしいな」
「え?」
「シロナちゃんのことはすごいトレーナーさんだって向こうでも知ってた。チャンピオンで学者さんって有名人だったから。だからこっちに来てシロナちゃんが義妹になるなんて思ってもみなかった」

少し興奮気味に語る彼女。

「こんな贅沢いいのかなって思うけど…シロナちゃんとはこれから家族として、お友達としてもっともっと仲良くしたいから」

顔を赤くして、まるで告白のようにあたしへの想いを語る姿に見蕩れてしまう。
何も答えないあたしに、なんだかちょっとドキドキするね──と言われてしまえばあたしの胸もドキドキと音を立てる。あ、あたしこの子のこと……好きになってしまったわ。

「なまえ…」
「えへへ、なあに?」
「兄にはもったいない人ね、なまえ…好きよ」
「わ、私もシロナちゃん好きだよ…」
「なまえ、こっちむいて」

こちらへ顔を向けたなまえの顎へと指をかけ上を向かせ目を合わす。一度好きだと自覚してしまったら彼女への気持ちが抑えられなくなってしまった。あたしも兄と一緒ね………いけないとは思いつつもそのリップに彩られた唇に自分の唇を触れさせようとした。

「え、シロナちゃ、」
「はーいストップでーーす」
「………わっ」

後数センチという所で目の前の彼女の姿が消える。
離れる前に聞こえた声の方へと視線を向ければ襟首を掴まれたなまえと、掴む張本人…兄ことウォロがいた。

「ウォロさん!」
「あら、兄さん来たの…今日はあなたの大好きな遺跡巡りじゃなくて?」
「おや、ご存知でした?遺跡巡りは大事ですがなまえさんがアナタと出かけると言うので、やはり心配になって着いてきたんですよ……そしたらなんですかこれは」

ため息をつきながらなまえのことを見遣る兄。なまえは冷ややかな視線を浴びているにも関わらず場違いにも頬を染めて話す。

「えへ…シロナちゃんが素敵に見えて……」
「はぁ〜?えへじゃないんですよまったくアナタという人は…まあ兄妹ですからね、顔と性格の良さを理解しているのは褒めますよ」
「?」

うんうん頷く兄に並んで私も首を縦に振る。たしかにそこを理解しているところは褒めるわ。

「とりあえず、心配なのでジブンも同行します」
「今日はあたしと二人でデートなの、邪魔しないで」
「冗談は部屋の片付けを終わらせてから言ったらどうですか?そもそも彼女はワタクシの嫁ですよ」
「その義姉さんと仲良くなって何が悪いのかしら」
「おまえ…最近言うようになりましたよね」
「ふ、二人とも仲良くしてよ〜!」

言い合いを始めるあたし達をみて声をあげるなまえ、誰のせいでこうなってるんだ!と怒る二人の姿を見ておもわず頬がゆるむ。笑うあたしをみて不機嫌な顔になったのは兄だけだった。そんな彼に向かって一言。

「そうね、でもあたしアナタと同じでとっても諦めが悪いから…奪われないように気をつける事ね」
「言ってろ、なまえさんはジブンにゾッコンなので」
「シロナちゃん!早く行かないとアイスなくなっちゃうよ〜!」
「あらそうだわ!行きましょ!」

兄から視線を戻してなまえの手を掴む。今度こそトバリデパートへと向かうあたしたちの後ろで何か言っているみたいだけど聞こえない。今はなまえとのデートを楽しみたいもの。
次こそは邪魔が入らないようにしないと…ね。