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恋人の日



恋人の日



※ネームレス
※2022年 恋人の日に書いたもの


「午後はアナタの行きたがっていたカフェに行きますよ、準備してくださいね」
「えっ」

なんてなくソファにくつろぎながらテレビを見ていたらキッチンに立ってコーヒーを入れていたウォロさんから先の一言。突然のことに、チャンネルを変えようと手にしていたリモコンが滑り落ちそうになるのをなんとか抑える。

「な、なんで?」
「アナタのことだ、今日の日に乗っかってどこかに出かけたい〜とか考えてるだろうと思いましてね。先手をうちました」

フフン、としてやったりのウォロさん。だけど当の私は何が何だかわからなくて首を捻るばかり。今日って何かあった?答えないでいる私を見て何故か真顔になってこちらを見るウォロさん、急に眉間にシワが寄り出す。え、え…そんな顔されてもホントに何の日か分からない………

『今日6月10日は恋人の日!カップルの方やご夫婦の方はどのように過ごすのでしょうか!インタビューしてみたいと………』

変えずにいたテレビから女性アナウンサーの声が聞こえてそちらを振り返る。恋人の日──そっか、今日は恋人の日なんだ。
つまりウォロさんは私がこの日にどこか出かけたいと言うことを見越して事前に予約していた…と。

「ウォロさん、すみません私」
「もう絶対こんなことしてやりません」
「エッ!やだ!ほんとごめんなさい〜!ウォロさん!」

不機嫌になった彼に近づいてしがみつきながら謝る。丁度コーヒーをカップに注いでいた所で、危ないと怒られてしまった。

「ウォロさん〜…」
「あーもうわかりましたから。予約時間までまだありますが準備してください」
「了解です!うんとオシャレします!」
「はいはい」

すぐさま自室に入って服を何着か取り出す。どうしようかな…あ!この間ウォロさんに選んでもらった服にしよう!
午後のデートにむけて時間の許す限り準備にとりかかるのだった。