最近ずっと飛雄くんのことを考えてる。どうして格好良いと思うようになったのか、抱き締められた時、凄くドキドキしたのはどうしてなのかとか。ちょっとのきっかけで飛雄くんのことを思いだすようになった。

「んー……」
「……最近様子おかしいぞ、お前」
「そうかな?」
「そうだろ。呻りっぱなしで何か考えてるっつーか……何かあったのか」

 お昼休みに一くんがそう声をかけてくれた。何時もなら嬉しくて仕方ないはずなのに、今はちょっとそんな気分になれなくてまたちょっとだけ呻った。それにこれは人に相談して解決しちゃいけないような気がして、孝支にも話さないままでいる。けど、自分で考えるのも限界なのかも。

「……あのね、今まで誰かのことを可愛いとしか思ってなかったのに最近は格好良いって思うようになって」
「は?」
「ずっとその人のことを考えて頭がぐるぐるしてるの。どうしてかな?」
「お前、それって……」

 何か知ってるみたいな一くん。私が何って聞いてみたら一くんは少しだけ迷ったような顔をして、持っていたジュースを机に置いた。

「それ、そいつが好きってことじゃねえのか」
「好き? うん、好きだけど……」
「違げえよ。人としての好きじゃなくて、その……あれだ、恋愛としての好きだろ」
「……恋愛の、好き?」
「多分そうだろ。お前のことだから多分としか言えねえけどな」

 ――でも名前先輩の好きとは、違い、ますから!

「……そっか、そうなのかも」
「……」
「ありがとう、一くん。ちょっと元気出た。だからそのジュースちょっとちょうだい」
「……そっからの要求が意味分かんねえんだけど」

 そんなことを言ってもジュースをくれる一くん。優しくて可愛くて、大好き。
 でも、うん。違うのかも。飛雄くんに感じる好き、一くんに感じる好き、潔子ちゃんに感じる好き、孝支に感じる好き。全部違っていて全部大切だ。

「一くんって可愛いね」
「いやだから意味分かんねえから」
「あ、名前ちゃん!」
「及川は可愛くない」
「出会い頭にそれ?」

 忘れないとは思うけど、上手く伝えられる内に教えてあげなくちゃ。

  

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