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俺の家族には、じいちゃんとさとるくんと真希ねぇと真依ねぇがいる。
血が繋がってるのはじいちゃんだけ。真希ねぇと真依ねぇはさとるくんが連れてきた。施設に居た子供らしい。じいちゃんが色々手続きして、晴れてねぇちゃんたちは虎杖になった。さとるくんは…わからない。俺が物心つく前から、ううん、俺が生まれた時にはもうさとるくんは俺のそばに居た。
ずっと、ずっと一緒だった。


「チッ、本当に捕まればいいのに」
「真依ねぇは本当にさとるくんには辛辣だよね」
「アンタがそんな無防備だからこっちがヤキモキするのよ」
「むぼうび」
「ああもう!なんで憶えてるのが私だけなのよ!真希アンタ思い出しなさいよ!」
「昨日の晩飯は鯖の味噌煮だったろ」
「違うわよ!」
「鮭だったか?」
「そうじゃない!」

にゅっと、どこからともなく現れたさとるくんが俺を一度抱き上げ座ったかと思えば自分の膝に俺を乗せた。「真依は今日も元気だねぇ」と言うと、真依ねぇは犯罪者を見るかのような視線を送り、というか「黙れ犯罪者!悠仁を膝から降ろしなさい!」と怒鳴った。さとるくんは煽るように「犯罪者なんてひっどぉい、まだ手は出してないのにね?」と俺の頭をウリウリと撫でる。まだって何?ちょっと危険を感じだ俺はさとるくんの膝から降りようとしたけど「だぁめ」と身体を抱きしめられた。うーん、動けない。諦めてさとるくんに身体を預ける。すると真依ねぇの火山が噴火した。


「そこで諦めるから五条悟が調子乗るんでしょうが!最後まで抵抗しなさい!」
「どう頑張ってもさとるくんには敵わないからなぁ」
「そうそう、どうしたって悠仁は将来僕に組み敷かれる運命だよ」
「組み敷かれるってどういう状況?」
「えぇ〜?もぉ、ゆーじもお年頃だなぁ!聞・き・た・い〜?あーんなことやこーんなことを」
「真希、塩!塩を撒きなさい!」
「塩がもったいねえ。あ、岩塩でも投げるか」

なんでそんなもんウチにあんの?真希ねぇが投げた野球ボールほどのサイズの岩塩がさとるくん目掛け飛んでくる。なぁ、下手したらそれ俺に当たらない?まぁ真希ねぇのコントロールは抜群で、岩塩はさとるくんの顔面に当たる!というところで何かにぶつかったようにガッと音がしてそのまま弾かれた。勢いよく弾かれたわけではないそれは落下し、俺の頭にゴツンと着地する。結局俺に当たるのかよ!「ッい!」と声が出てしまった。

「あ、わりぃ悠仁」
「ん〜…だいじょうぶ、地味に痛いけど」

そう、地味に、地味に痛かった。
自分の頭を擦ろうと腕を伸ばしたら、その手をさとるくんに取られた。ん?と頭上に目を向けたら、俺を見下ろすさとるくんの氷のように冷えた目が、俺の目と交わった。
あ、さとるくんすごいおこってる。


「…ダメだよ真希、悠仁を傷付けちゃあ」
「悟が素直に食らえば何も問題はなかっただろ」
「僕に大人しく当たれって?悪いことしてないのになぁ」
「オイ、知ってんだぞ。お前夜な夜な寝てる悠仁の身体触ってんだろ。しかも際どいところまで。服の中に手ェ突っ込んで何が「まだ手を出してない」だよ。あァ?」

…え?なんかちょっと聞き捨てならないこと言われた気がする。
冷え切った目をしていたさとるくんは、一転して焦りだす。「え、ちょ、なんで知って」とこぼれ落ちたさとるくんの言葉に今度は真依ねぇが冷たい視線を向けた。さとるくんの腕の中に居た俺は、流石にさとるくんにくっついて居られるわけもなく藻掻いてさとるくんの腕から抜け出す。
ぎゅっと自分の身体を抱きしめる。そしてさとるくんに疑惑の目を向ける。


「俺、知らん間に何されてんの?ねぇさとるくん」
「悠仁、私の後ろにいらっしゃい!やっぱりその男危険だわ」
「ちょ、待ってよゆうじ。ご、誤解だよぉ!悠仁が嫌がることしてないよ。むしろ悦びそうなことを教え込んで」
「死刑よ死刑。それがいいわ。慈悲なんて要らない」
「流石に庇えねえわ。悟、安らかに逝け」
「ガチトーンじゃんウケる」
「俺はウケないよ」
「ガチトーンじゃん…やだ悠仁…嫌わないで…」

さとるくんが泣いた。ぼろぼろ泣くもんだからちょっと引いてしまう。真希ねぇはドン引きだし「こうやって見せびらかすように泣いて許してもらおうって魂胆なんだから、ほんッとにクズよね」と真依ねぇは俺を抱きしめた。うん、確かにさとるくんそういうところあるよね。

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