ごっこ遊び2*



※オメガバースパロ
※黒尾と男主に子供が出来ています
※ごっこ遊びの男主


鉄朗が高校を卒業してからお互いに番おうと約束をした。鉄朗の誕生日の日に柄にもなく、ホテルを予約してそこで鉄朗のうなじを噛んだ。



「んっ、はぁ…名前っ…か、んでっ…はやく…」
「鉄朗っ…愛してる…」



ゴムもせずに初めて鉄朗とセックスをした。鉄朗のうなじを噛むと焦るようにあった俺の欲も、鉄朗が向けてきていた潤んだ目と香りも落ち着いて俺はようやくそこで冷静になった。歳ばかり食って何の余裕もなく、鉄朗を抱いてうなじにも酷い痕が残ってしばらく消えなかった。



「パパ!おかえり!」
「ただいま。良い子にしてたか?」

「うん。ママと一緒に遊んでた」


鉄朗に似た黒髪で特徴的な寝方をする息子が生まれて、しばらく経った。言葉も段々と喋れるようになってパパとママも覚えた。最近では自分の年齢も言えるようになった。
チビを抱き上げてリビングへと向かう。エプロンをつけた鉄朗がテーブルに出来上がったばかりの料理を置いている。


「おかえり」
「ただいま、鉄朗。今日も美味そうな料理ありがとうな」


鉄朗の腰に腕を回してキスをする。チビが横でちゅー!なんて可愛い事を言っている。自分の定位置に腰を下ろして、スーツのネクタイを緩める。


「パパ!僕もちゅーしたい!」
「んー?良いよ。おいで」


チビを自分の膝に乗せてキスをしようとしたら鉄朗に唇を手で塞がれた。驚いて鉄朗を見ると分かりやすく拗ねた様に唇を尖らせている。俺の膝の上に座ったチビが鉄朗のエプロンを引っ張っている。


「僕のパパなの!」
「パパの唇は俺のなの。チビは別の所にしてもらえ」

「だってさ、チビ」
「じゃあ良い!僕はここにちゅーする!」


俺に近づいてきたチビは更に距離を詰めてきて、俺の鼻にキスをしてきた。可愛い俺の息子に思わず笑って頭を撫でる。鉄朗もそんな所にキスをするとは思わなかったのか穏やかに笑っている。
そろそろ夕食を済ませようとチビを自分の席へと促して、食事を始めた。大学に通いながらもこうして料理をしてくれる奥さんを持って、幸せだ。それを言葉にした事は無いけれど。
ふと視線を上げて鉄朗を見るとたまたま視線が合って子どもが出来てから自然とするようになった柔らかな笑顔を向けられて、恥ずかしくなって視線を逸らした。


「ママ、今日のご飯も美味しい!」
「ありがとな。それなら良かった」


やっぱり男でも子どもを産んだら母性のような物は現れるんだろうか。チビを膝に乗せて話をしている鉄朗は高校生の時とは全く違う。



「ごちそうさまでした」
「風呂わいてるから」

「あぁ、ありがとうな」


先に風呂を済ませてから鉄朗とチビも風呂を済ませた。体が温かくなって眠気が襲ってくるが今日はやけに鉄朗が甘えてくるし、距離も近い。そういう時には何か言いたい事があるかシたい時だけだ。


「寝かせてくるな」
「ん、待ってる」

「ママ、おやすみなさい!」
「おやすみ」


夫婦の寝室に入ってチビと一緒にベッドに入る。研磨くんからプレゼントされた絵本を開いて、眠気を誘うようにゆっくりと読み始める。すぐに眠そうにまぶたが落ちてきて、それでもまだ絵本は途中だからと起きていようとする息子が愛おしく感じて本を閉じる。


「ほら、今日はここまで。明日また一緒に読もう。」
「…ん…おやすみなさ…い」


チビが眠ったことを確認してからリビングに戻ると、それに気づいた鉄朗が振り返って俺に手招きしてくる。テーブルにはいつの間に用意したのかビールとつまみが置いてあった。ソファに座ってビールの缶を開ける。


「チビ、寝た?」
「うん、すぐに寝てくれたよ」

「名前…」
「ん?」


ビールを飲もうとしていた手を止めて鉄朗を見ると、俺の額にキスをして誘うように膝に乗ってくる。ビールをテーブルに置いて鉄朗にキスをしていると風呂に入ったせいなのか、妙に頭がぼんやりとしてきた。仕事の疲れもあるのかもしれない。ズボンの中に手を入れてきた鉄朗の行為に答えてやりたいが、段々と眠気が強くなって襲ってくる。


「て、つ…ごめん…」
「え?」


そんな言葉を最後に何故か俺の旦那様である名前は眠ってしまった。俺のこの熱と期待感はどうしてくれるんだろうか。穏やかに寝息を立てている名前を一瞬、起こそうかとも考えたけれど残業までして働いて帰って来てくれているんだろうからとそれは止めた。俺、超良い奥さんだろ。
チビを妊娠してからやっていたバイトも辞めて、大学生活とサークルだけをやるように言われてストレスが無いようにねと名前に必死な形相で言われたことを思い出す。そして産まれたチビは俺をそのまま小さくしたような子どもで、パパが大好きだった。


「ほら、名前。こんな所で寝たら風邪引くから」
「ん…んー…分かってる…」

「ならしっかり起きて」
「てつろう…」

「んー?」
「愛してるよ」


そこだけはっきりと俺の耳に届いて肩を貸してなんとか立っていた名前を落としそうになった。





ごっこ遊び男攻め主と黒尾
オメガバースパロ、子供有、父親っこ

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