「なまえ、起きろ。朝だ」
「……はぁーい」

ドンドン鳴らすノックの音で目が覚めるのが日課になりつつあるなと思う。リゾットが家に住んで5日経った。

リゾットは私が起きたのをドアの前で確認するといつもは立ち去るのだが今日は何故かその気配がない。さして私は気にするでもなく服を着替えだした。そうするとまたドアの外から声がかけられる。

「この後なまえに話がある」
「なーに?またアルバイト云々の話?それならこの前いいって……」
「紹介したい奴らがいるんだ」
「んん?」

奴ら……奴らってなんだ?

慌てて身なりを整えて扉を開けるとそこには見慣れてきたリゾットの姿ーー朝食を用意してくれるときの黒いエプロン、主夫っぽくて様になってるーーと、後ろに知らない人が2人。

ふ、増えとるがな。

**

「ホルマジオと」
「どォも」
「イルーゾォ。2人ともオレのチームのメンバーだ」
「……」

ホルマジオと呼ばれたのはオレンジ頭でおしゃれな刈り込み方をしている方で、イルーゾォと呼ばれたのは黒髪おさげという男性にしては珍しい髪型をしている。ホルマジオさんはひら、と手を振ってみせたがイルーゾォさんはこちらを睨むだけで一言も発しない。

「今朝誰かが来た気配がしてな。確認しに行ったら廊下に倒れていた」
「気配……」

家主である私が気づかなかったことに少し申し訳なくなった。人の気配に敏感なのはやっぱり暗殺者ならではなのかどうか……。聞けば、既にこの世界のこと等あらかた話してくれたらしく、後は私の紹介だけらしい。

「お話は聞いてるかもですが、みょうじなまえです。ええと、2人はこの前言ってたリゾットの仲間なんですよね……」

リゾットの仲間のことは1度聞いたことがあった。同じ暗殺チームでスタンド使い。……リゾットは分からないと言っていたがこの人たちもやっぱり。

「……死んでるんですか?」
「っ、」
「ハハハ、ど直球だな〜。まぁ、そうだな」

ホルマジオさんは軽く笑った。それとは対照的にイルーゾォさんは苦虫を噛み潰したような顔をする。リゾットが全て話して混乱は収めたとは言っていたけれど、イルーゾォさんは受け止められていないんだろうか。いや、その気持ちを必死に抑えているのか……。膝の上で硬く握られた拳からそう窺えた。隣に座るホルマジオさんも笑ってはいるがイルーゾォさんの方をたまに心配そうな目で見る。

……これは慣れて貰うまで時間がかかりそうだな。


**

「アッアスカぁーーーー!!!」

慣れた。

あれからトントン拍子で話は進んでいき「リゾットがいるなら」とここに住むことになった2人。ホルマジオとは仲良くはなれたがイルーゾォとは1度も言葉を交わさずに1日が終わろうとしていた。晩ご飯の後、リビングに全員集まっていたが会話はなくて気まずかったからなんとなくつけてみた金○ロードショー。やっていたのは私も好きな人造人間兵器に乗る少年少女の某アニメの劇場版。日本のアニメって外国人に人気だしもしかしたら盛り上がるかもーー結果一番食いついてきたのはイルーゾォだった。

「なぁ、なまえ!これのテレビ版も見たい」


な、なんだかなぁ……。

人造人間