大学帰りについでに買い物を済ませた。昨日、更に人数が増えて冷蔵庫の中身が少し足りなさそうなので足りない分を買い足した。纏めて買うのは明日何人かで行けばいいだろう。今まで独り暮らしだったからこういう時に人手があるっていうのは便利だ。

「ただいま〜」
「おっ。おかえり!ホルマジオがコンビニでアイス買ってきたから食べようぜぇ」
「やった〜!食べる食べる。あ、待ってペッシ。これ冷蔵庫に入れといて」

玄関に入りただいまと言えば、タイミングよくトイレから出てきたらしいペッシと鉢合わせした。
帰宅すれば必ず誰かが出迎えてくれるようになった。玄関の扉を閉めるときに「ただいま」を言うのは染み付いた癖で、今まで返ってこなかった「おかえり」があるのは心が温かくなる。
ペッシに食材を運んでもらうのを頼み、自分は手を洗いそのまま買ってきたメンズ用のシャンプーを手に風呂場へと向かう。これまでは女の私1人だったから良かったものの男性が増えたので必要かと思い買ってきたものだ。何より、この前ホルマジオやリゾットからふわりと女性もののシャンプーの香りがするのに耐えられなかったのである。思い出して、ふふと笑みが漏れる。笑みを浮かべたまま上機嫌で浴室の戸を開けた。

見れば、バスチェアに見知らぬ男性が腰掛けていた。

「…………」
「…………」

お互い、無言である。気が抜けていたからか脳みそがフリーズしてちょっと状況の理解が追いつかない。え、ていうか、服。その服どうなってるの?トイレのときどうするの……?形容しがたいような奇抜な服の構造と柄に目が離せない。

「……女?ディ・モールト……ディ・モールト良いぞッ!この状況で女性である君と出遭えたのは非常に運が良いッ!」

そっと扉を閉じた。めちゃくちゃグイグイくる人だ……。多分、きっと、リゾットたちの仲間であることには違いないと思うので取り敢えず誰か呼んでこよう。そう思いリビングへ向かおうとすると誰かが走ってくる足音が聞こえた。

「おっと逃げないでくれよ。何、ちょっと手伝いをしてくれるだけで……、」
「なまえ!悪りィが襖がぶっ壊れ、」

勢いよく浴室の戸と廊下に繋がる扉が開き、謎過ぎる服の人と慌てて入ってきたホルマジオが鉢合わせる。そしてその場は静寂に包まれた。

…………取り敢えず、襖が、なんだって?

破壊