まほよめ ミハイル・レンフレッド


ミハイルの腕の中は私のお気に入り。
ホットミルクに蜂蜜を垂らし、体がポカポカ温まりだしたころにベッドに入る。
先にベッドに入っていたミハイルは、読みかけの本を棚に戻す。
そして、力強く、だけど優しくその腕で私を抱きしめて夜を過ごすのだ。

それは突然だった。

「先生が…!」

彼の弟子、アリスの叫び声が庭先から聞こえた。ただ事ではないと急ぎ向かうとアリスにもたれかかるように立つミハイルがいた。

「ミハイル!」
「…なんて、ことはない…大丈夫、だ」

暗闇の中、一瞬何があったのか分からなかったが、錆びた鉄のような臭いが鼻についた。

ミハイルはもう腕を取り戻すつもりはない。

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